妊娠20週で破水し30週で早期出産 生存率1%の奇跡を体現する子供はすくすく成長中
前期破水で生後48時間生き延びられないと宣告された子供が、同じ境遇下にある親子の希望の星となった。
■1%の奇跡にかけて誕生した命
アンさんは、抗生物質の投与と毎週の診察、できる限り安静にして赤ちゃんの生存率を上げるよう努めた。しかし2020年12月23日、妊娠30週で陣痛が始まり、後にチェスターくんと名付ける男の赤ちゃんを出産した。
胎児は出生前に羊水を吸い込んで呼吸の練習をするが、チェスターくんは破水により羊水が十分になかったため、肺が未発達の状態で誕生。出生体重は834グラムであり、妊娠24~25週程度の大きさしかなく、慢性肺疾患との診断を受けた。
チェスターくんは生後113日間を病院で過ごし、2021年4月に退院して家族が暮らす家へ。そこでようやく、二人の兄たちにも初めて会うことができた。
関連記事:「世界最小赤ちゃん」のギネス世界記録を持つ男児 手厚いサポートを受け満1歳に
■希望の星に…
無事に生まれてはきたものの、退院までの道のりは「1歩進んで10歩後退するような日々だった。すごくよくなったと思った瞬間またすぐ抗生物質とICU(集中治療室)に戻る毎日だった」と語るアンさん。しかしチェスターくんの成長を公表することで、「同じ状況で悩む母親たちの希望になれば」と願っているそうだ。
さらに「医師は率直に現実を伝える必要があることは理解しています。でも、1%だったとしてもチャンスはあるのです。この子は私たちに起きた奇跡です」と、悩める母親たちにメッセージを送った。
医師たちは、チェスターくんの現在の肺疾患は成長により好転していくだろうとみており、それ以外は全く問題がないと語っているという。
・合わせて読みたい→走行中の助手席で破水した女性が自力出産 パートナーは病院目指してひたすら運転
(文/しらべぇ編集部・原田パラン)