寝屋川市「いじめゼロ」新アプローチに大注目 1カ月以内に「全件いじめ停止」の実績
学校や教育委員会に対して、不信感を抱いているケースが多く、第三者的立場の監察課スタッフが入るメリットは大きい」と担当者。
■監察課に直接通報
学校では毎月チラシが配布され、そこには「きりとり用の手紙」がついている。この手紙で、直接監察課にいじめ被害を訴えることができるのだ。開始から今年8月末までに約60件の手紙が届いたという。
そこには、「SNSに自分の画像を許可なくあげられた」などの申告が書かれていた。いじめを認知すると、監察課の弁護士が直接学校を訪問し、被害児童・生徒、保護者らから話を聞くこともあるそうだ。いじめ解決のための謝罪の場にも、監察課スタッフが同席する。
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■全件いじめ停止の実績
監察課発足以来、2020年度までに対応したいじめ件数は計513件。すべての事案について1カ月以内にいじめ行為を停止させて、全件でいじめの終結を確認したという。
学校に対して、具体的な解決へのアドバイスも行い、独立している教委へも、人権担当部局が行政指導を行うことがある。
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■弁護士費用や転校費用を補助
また、「寝屋川市子どもたちをいじめから守るための条例」を制定し、市が勧告できることを明文化した。その中には、出席停止、別室指導、児童等の学級替え、転校の支援なども書かれている。
さらに「伝家の宝刀」として、被害保護者のために弁護士費用を1件あたり30万円まで、転校費用も1件あたり15万円まで支援する。これらの取り組みは全国的に注目されており、ほかの自治体関係者が視察に訪れている状況だ。
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(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)