破産からの復活 わずか3年で世界的な賞を受賞した酒蔵が手掛ける日本酒
国際的な品評会で最高賞を受賞したのは運送会社が経営する酒蔵の日本酒。しかもこのブランドは一時、酒造りが途絶えていたという。
毎年ロンドンで開催される世界最大規模のワイン品評会・IWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)。世界で最も影響を持つと言われるこのIWCのSAKE部門最高賞「チャンピオン・サケ」に長野県・諏訪御湖鶴(みこつる)酒造場の「御湖鶴 純米吟醸 山恵錦(さんけいにしき)」が選ばれた。
じつは、この日本酒は一時酒造りが途絶えていたという。
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■日本酒の海外進出のきっかけとなるIWC
IWCは、1983年から毎年ロンドンで開催されているワイン品評会。約40カ国から1,000種類以上のワインが出品される世界的なコンテストである。
このIWCにSAKE部門ができたのが2007年。以来、同部門で受賞した日本酒は国内外で大きな注目を集めていて、海外へ販路拡大するために重要な賞となっている。
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■事業停止からの再出発
今年のIWCのSAKE部門でチャンピオン・サケに選ばれた御湖鶴は、長野県下諏訪町の諏訪湖のほとりにある大正元年創業の酒蔵で製造されており、地元では由緒ある日本酒だった。
しかし、2017年に業績悪化による事業停止。その後、福島県いわき市に本社がある運送会社・磐栄運送が事業承継し、諏訪御湖鶴酒造場として再出発したのだ。