沖縄で遭遇した自販機、あまりに謎すぎる 「何を売っているんだ…」と話題に

沖縄県で発見した、凄まじく風変わりな自販機が話題に。気になる正体はというと…。

2021/10/28 11:30


 

■展開を始めた理由がエモすぎる

クレスト担当者に話を聞いたところ、件の自販機は「いろは歌自販機(名護親方)」というもので、2018年10月より展開を開始し、現在までに15台の機体を設置していると分かった。

こちらでは「 八・八・八・六」の30音からなる定型の短歌「琉歌」(りゅうか)が購入可能となっている。

主な設置先は「離島を除いた沖縄県全域」で、担当者からは「観光地をメインとして設置させて頂いております」「身近に沖縄語(うちなーぐち)を知ることができたりと、珍しい自販機として観光客の方にも人気な自販機となっております」というコメントも見られた。

気になる設置の理由について、担当者は表情を曇らせながら「現在、沖縄でも深刻な問題となっておりますが、うちなーぐちを話せる次世代の方々や、うちなーぐちの後継者がいないことが、沖縄内で深刻な課題として挙げられています」と説明する。

身近にうちなーぐちを話せる人物がいないことから、うちなーぐちを話せる高齢者も話さなくなっている…という悪循環も生じており、そんな中でクレストは同社が運営する「FMニライ」というラジオ局から、24時間うちなーぐちが流れるネットラジオ「沖縄しまくとぅば放送局」を開設することに。

琉歌自販機

するとリスナーからたくさんの反響が寄せられ、その中には「もっと身近にうちなーぐちに触れる機会がないか」などの相談があったこともあり、自販機による琉歌の販売と「自販機から『しまくとぅばラジオ』が流れる」という一風変わった形で、自販機の展開をスタートしたのだ。

担当者は「商品販売だけでなく、自販機には各商品や各うちなーぐちごとにQRコードが表記されております」「読み込んで頂くと実際に意味を知ることができるようになっておりまして、様々な楽しみ方ができる自販機となっております」と笑顔で語ってくれた。


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■絶やしてはいけないバトン

本州の人間からするとなかなかピンと来ないが、沖縄の人々にとって琉歌とはどのような存在なのだろうか。

こちらの疑問に対し、クレスト担当者からは「琉歌については、沖縄の方々にとって身近な物だと思っております。実際、沖縄にある恩納村(おんなそん)や南城市では琉歌大賞を決めるコンテストが毎年行なわれるなど、『うた』としてイメージされている方が多い印象を受けます」という回答が見られた。

ちなみに、話題のツイート投稿主・空さんは元々は大阪府の出身で、現在はWeb漫画サイト『くらげバンチ』にて『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』という、沖縄の言葉や文化を題材にしたラブコメ漫画を連載中。

琉歌自販機

同作を描くために沖縄に移住してきた…という点からも、沖縄愛がヒシヒシと伝わってくる。件のツイートを投稿した経緯についても、「伝統を残していこうと、身近な自販機を活用した発想のユニークさと活動の素晴らしさ、熱い郷土愛を感じたことから、今回ツイートさせて頂きました」と、自身の思いを語ってくれた。

観光地として非常に人気の高い沖縄だが、レジャー的な魅力だけでなく、現地に根付いた素晴らしい文化の数々にも、ぜひ目を向けてみてほしい。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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