一番おいしい旬に最も売れない牛乳 生乳廃棄危機も「バターにする」は難しいが…
年末年始に5,000トンが廃棄処分されるという生乳。乳脂肪分が最も高くなる時期なのだが…。
■一番おいしいのは冬
牛乳には「旬」があることをご存知だろうか。乳牛は、夏より冬のほうが体脂肪率が高くなるため、冬の乳のほうが乳脂肪分が増える。
よく売られている3.5牛乳といった製品の「乳脂肪分:3.5%以上」という数値は、「最も低くなる夏場の数値に合わせたものです」と小林さん。つまり、冬場の牛乳は、同じ産地や牧場のものでも夏より濃くてまろやかになると言える。
ところが実際、牛乳の消費が最も落ち込むのは冬。一番おいしくなる季節に飲まれなくなってしまうのは、いささか残念にも思える。
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■おなかがゴロゴロしにくい
しかし、生乳の消費拡大を…と訴えられても「牛乳を飲むとおなかがゴロゴロするから…」という人も少なくないだろう。これは、乳糖不耐症といって腸内の分解酵素(ラクターゼ)が不足しがちな体質の人に起きやすい症状だ。
「乳業会社に勤めながら、じつは僕も牛乳を飲むとおなかがゴロゴロするんです」と小林さん。ところがヨーグルトは、発酵の間に乳糖が分解されるため、牛乳と比べる乳糖が少なく、ゴロゴロしにくいのだという。
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■原材料が「生乳」から始まるものを
ヨーグルトの中には、脱脂乳や脱脂粉乳などから作られるものもあるが、より直接的に生乳の消費拡大につながるのは、「生乳から作られたヨーグルト」だろう。
原材料表示は「含有量が多い順」になっているため、裏面を見て最初が「生乳」から始まるヨーグルトを選ぶと、生乳消費拡大の一助になれるかもしれない。
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(取材・文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)