コンビニで遭遇した白い粉、何かがおかしい… じつは感動的な「理由」があった

とあるコンビニに設置されていた盛り塩、どこか見覚えのある形状をしている…。じつは、感動的なエピソードが秘められていたのだ。

2022/01/17 04:45


 

■想像するだけで胸が熱くなる…!

ある日、和志さんは普段通っているコンビニの入り口で、こちらの盛り塩に遭遇。「見覚えのある形をしており、初めて目にするタイプだったので、珍しく思い投稿しました」と、発見時の様子を振り返っている。

なお、盛り塩がプッチンしている背景についても予想しており、こちらのコンビニのアルバイト店員は全員が外国人であるという。そうした背景を踏まえ、和志さんは「彼らなりに異国の文化になるべく近づこうとしてくれた行為が、自分は嬉しく感じました」と、コメントしてくれたのだ。

舞台裏を知った後では、こちらの「プッチン盛り塩」から受ける印象がガラッと変わり、なんとも微笑ましく、愛しい存在に感じられてこないだろうか。


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■そもそも「盛り塩」って何だ?

続いては神棚専業会社として、洋風化が進む家屋に馴染む「モダン神棚」を開発するなど「暮らしの中での神様との接点」をユーザーに提供し続けている企業・静岡木工に、盛り塩の詳細について尋ねてみる。

盛り塩

「盛り塩は災難を祓(はら)い、運が開けるようにという願いを込めて行なわれている風習です」と前置きした同社担当者は、「古来より『海(海水)』を意味する『塩』は禊(みそぎ)と同様に、穢(けが)れを祓い清める意味があると言われています」と、その起源について解説してくれた。

平安時代の人々の間では、家の戸口に塩を盛ることで「塩が好物の牛の足を止め、牛車に乗った高貴な人物を自宅に招き入れることが叶う」とも言われており、やがてこちらが転じて「客の足を招く縁起物」として定着するようになったのだ。

塩は古来より大変貴重であったため、神社において必ず神前に供えられ、家庭でも神棚には酒・米・水と共に塩が備えられるほど重要なもの。担当者は「さらに、神道において塩は『お祓い』という意味を持ち、神秘的で聖なる物として捉えられていました」「そこには厄を祓い清める力があるとされ、家の祓いや土地や諸々の祓いに用いられてきました」とも補足してくれた。

盛り塩

そうした風習は令和の世でも受け継がれており、現代では一般的に人の出入りがある玄関や水場(台所・トイレ・洗面所・浴室など)に盛り塩を置く場合が多いそう。

盛り塩

また「昨今のコロナ禍の影響もあり、盛り塩関連商品の需要も大きく伸びております」「『神頼み』まではいかないと思いますが、自宅などに盛り塩を置くことで災難を祓い、開運を願う気持ちの表れと考えております」という、鋭い考察も見られたのだ。


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■「プッチン盛り塩」はセーフなのか…?

…と、ここで記者は改めて「プッチン盛り塩」の是非を尋ねてみる。

まず「盛り塩のあるべき形」について話題を振ると、担当者からは「当社と致しましては『この様な形にしてはいけない、好ましくない』といったご案内は特にしておりません」「ポジティブな表現として、円錐形・八角錐形をお勧めしております」という回答が。確かに一般的に「盛り塩」というと、「錐形」を連想する人が多いことだろう。

盛り塩

気になる「八角錐形」という形状については、「漢数字の『八』が表す末広がりは縁起が良いという風水的な側面と、科学的な観点から最も安定しやすい形の一つとしてご案内しております」という補足もみられ、伝統と科学の融合した「盛り塩のニュースタンダード」という印象を受ける。

これらの観点から「プッチン盛り塩」はあまり好ましくないのか…と思いきや、「当社も是非を申し上げる立場ではございませんが、個人的にはとても興味深く感じました」という反応が見られたのだった。

というのも、静岡木工では日本の伝統文化を広く伝え、次世代に継承していくことを使命としている。そのため今回のツイートを受け、盛り塩という文化が海外の人々にも伝わっているという事実に、何よりも嬉しさを感じていたのだ。

担当者は「『かたち』よりも『お祀りする気持ちや心』を持ってのご行動かとお見受けしますし、こちらのツイートが話題となっていること自体が、SNSをご活用されている若い世代の方々にも盛り塩が浸透している証拠だと感じました」と、笑みを浮かべつつ心情を語ってくれた。

グローバル化の目覚ましい昨今だが、たとえ形は変わっても、我々が世界に誇るべき「日本の伝統文化」を後世に受け継いでいくその姿勢こそが何よりも大切なのだ。

盛り塩

そうした大切なことに気付かせてくれた静岡木工の公式YouTubeチャンネル『神棚の里』では、神棚の祀り方や、神社での正しい参拝作法、盛り塩の作り方などを動画にて分かりやすく公開中。文化や風習への理解を深めるためにも、ぜひチェックしてみてはいかがだろうか。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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