元男性の女性競泳選手が記録更新中 水泳元世界王者は「公平な競技の場を」
3年間大学の競泳部に男子選手として所属し、性転換後に同大学で女子選手になった人物がいる。
2021年の東京オリンピックで初めて、トランスジェンダーである重量挙げのアスリートが参加したことが、大きな注目を集めた。そして現在、水泳界で男性から女性に性別を変更した選手が歴代記録を次々更新する中で、元水泳世界王者のコメントが注目されている。
『Daily Mail UK』『New York Post』など海外メディアが報じた。
■元は男子競泳選手
アメリカ・ペンシルベニア大学で競泳選手として活躍するリア・トーマス選手は、心と体の性が一致しないトランスジェンダーのアスリートだ。テストステロン抑制治療を受ける前の3年間は、男子競泳選手として同大学競泳チームに所属していた。
性別を女性に転換した後、トーマス選手は3つの大学記録、そして2つの国内記録を塗りかえた。今後も続く試合の中で、ナショナルチャンピオンの座を得るだけではなく、アメリカの女子競泳金メダリストたちが打ち出してきた歴代最高記録に挑む可能性も、浮上している。
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■「出生時に女子」で公平性
NCAA(全米大学体育協会)が定める現在の規則では、トランスジェンダーのアスリートは1年間テストステロン抑制治療を受ければ、誰でも女子選手として競技に参加できるとされている。
しかしカナダの政策立案・政策提言を行うマクドナルド・ローリエ研究所によれば、「テストステロンを12ヶ月間抑制するだけでは筋肉や体力の低下は5%程度にとどまり、男性の筋骨格によるアドバンテージも維持されたまま」だとし、対応は不十分だとする研究結果を発表している。
この研究では、今後に女子カテゴリーとして競技する際に、「出生時に女子」として記録された人を対象とすることで、一定の公平性が達成できるのではないかと提言している。