とある美容室、予約用クーポンを見ると…　新時代の「オプション」に称賛相次ぐ

 

■「会話は不要」は急に生まれたワケでなく…

会話が苦手な友人の美容室。苦手を武器にする天才かよ。 pic.twitter.com/i3d1JJ5ZS4

— いとう｜経営してる人 (@hironcare) February 8, 2022

前述の通り、ツイート投稿主の伊藤さんは美容業界に携わる身。

クーポンに関するツイートが注目を集めた件について、伊藤さんは「もともと潜在的にあった多くのニーズが顕在化したと感じます。私たち美容師がそうしたニーズを真摯に受け止め、時代にあった美容室の『おもてなし』をアップデートしていく必要があると感じました」と振り返っており、「とてもユニークで、本人の真摯な職人としての気質がお客様に最大限伝えられるメニューだと思いました」とコメントしつつ、笑顔を見せる。

というのも、伊藤さんは野口さんと中学生時代からの親友だというのだ。美容業界に20年以上身を置く伊藤さんは「今思えば昔からずっと『会話は不要』というニーズはあったと思いますが、今の時代、価値観の多様化により、そうしたニーズが顕在化してきたように感じます」とも知見を語ってくれたのだ。

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■「いけるだろう」と確信したワケ

続いて「ヘアーワークス クレド」の野口さんに今回話題となったサービスの詳細を尋ねたところ、これらは約7年前に導入したものと判明。

導入の背景について、野口さんは「イギリスの美容院でVIPルームとシークレットルームがあり、近年は静かな部屋が人気、という記事を目にしまして…。当店はマンツーマンの形態のため、いけるのではないか？ と感じ、導入いたしました」と振り返る。

また、サービス導入に当たってツイッターやGoogle検索などで情報収集をした結果、「美容院」「会話」「嫌い」といったフレーズを調べるとヒット数が軒並み多いことに気付いたそうで、野口さんは「ツイッターでは『コミュ障で美容院に行きにくい』という意見もありましたが、ウチならいけるだろうと感じました」とも語っている。

とは言え、そうしたメニューのサロン・美容室を今まで目にしたことも耳にしたこともなかったため、当初は「一ヶ月掲載して反響がなかったらやめよう」と考えていたのだが、初月で「会話なし」メニューを希望してきた新規客が5名もいたため、そのまま継続して今に至るという。

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■利用客の反応を聞くと…

なお、気になる「会話」クーポン利用客の割合については「全体で見れば、会話なしクーポンをご利用されている方は2〜3割ほどです」「もともと話さない方もいるので、4割いるかどうか…といった感じでしょうか」という回答が。

「『会話なし』を選択したものの、途中で会話がしたくなったらどうしよう…」と不安に感じてしまう人もいるかもしれないが、野口さんからは「クーポンで『会話なし』を選んでも、実際はお話されるお客様も多いです」というコメントも見られたので、安心してほしい。

サービスは提供する側が「ニーズを察する」文化と思われてきたが、伊藤さんがコメントしていたように多様性が重視されている昨今では、享受する側が「ニーズを伝える」形態にシフトしていくのかもしれない。

【店舗詳細】

「ヘアーワークス クレド」

東京都世田谷区玉川３-5-9ファミール飯田3F

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（取材・文／Sirabee 編集部・秋山 はじめ）