知床観光船遭難の原因は悪天候だけではない? 洞爺丸事故にもあった「偽りの晴れ間」

知床の観光船で起きた痛ましい遭難事故。1954年の洞爺丸事故でも「偽りの凪」が…。

2022/04/26 14:45

ウトロ漁港・知床

北海道・知床で起こった観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」の沈没事故は、11名の死亡が確認される痛ましい惨事となりました(26日朝9時時点)。当時の気象状況などをまとめ、気象予報士の千種ゆり子が今後の教訓を探っていきます。


画像をもっと見る

 

■23日9時頃は寒冷前線が通過

天気図

9時の時点で、知床は寒冷前線が通過済みでした。寒冷前線が通過する際には、強風などの危険な現象が起こりやすく、注意が必要です。

宇登呂グラフ

最寄のアメダスである宇登呂(ウトロ)の観測データをみると、朝に最大風速・最大瞬間風速を観測しているものの、20m以上といった突風を観測しているわけではなく。海難事故が起こったにしては「観測された風が弱いな」という印象です。


関連記事:東京の桜開花予想は19日か 昨年は観測史上最も早い開花も…

 

■ウトロの風は実際より弱く観測?

風というのは観測状況の影響を強く受けるので、宇登呂アメダスの周囲の状況を確認してみます。

地図

宇登呂アメダスは標高144mの場所に設置されており、その南側には知床半島の山々、そして西側にも、標高200m程度の小高い山があるために、風が遮られやすい地形となっている可能性があります。これにより、風がやや弱く観測され、海の状況とはやや差が出ていた可能性があります。

次ページ
■網走で25mの危険な強風を観測

IMO海難調査官マニュアル【Amazonでチェック】

北海道天気予報話題気象予報士ウトロ知床網走千種ゆり子強風注意報海難事故宇登呂洞爺丸青函連絡船高波波浪注意報KAZU Ⅰカズワンアメダス
シェア ツイート 送る アプリで読む


人気記事ランキング