コスプレイヤーの股間を接写… それを勝手に販売する無法ローアングラーは裁けるか

コスプレ界で多発する撮影写真の無断販売。このトラブルについて弁護士の見解は…。

2022/05/27 05:15


 

■「撮影許諾」に鍵が…

警察

コスプレイベントでは、被写体のレイヤーの前に撮影待機列ができ、一人終わったら次の一人が「写真お願いします」「はい」という簡単なやりとりの後、撮影に入る“作法”があるが、そこに落とし穴がある。

「撮影について承諾しているとすれば、Aさんは自己の肖像権利用についてカメラマンに許諾したことになるので、基本的には肖像権侵害を理由として削除請求や差し止め、損害賠償請求は難しいと考えられます。『販売されると知っていたら許可しなかった』としても、ここはかなりグレー。例えばそれが明確に表示されていれば違法になりうるのですが、明確に伝えていないとすれば違法とまではいえない」と河西氏は分析する。

つまり安易な撮影許諾はカメラマン側にも権利が生じるため、後々トラブルを生む可能性があるというわけだ。


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■自衛方法はあるのか

スケッチブック

「もっとも、卑猥な方法で利用された場合、例えば性風俗店の看板に勝手に使用されてしまった場合などは、人格権侵害を根拠に、差し止めや損害賠償請求は可能になります」と河西氏。

現在、レイヤーはスケッチブックやボードを足元に立て、コスプレネームやキャラ名、「勝手にアップしてOKです」「公開前にDMで事前確認させてください」といった写真掲載時ルールを記すのがスタンダードになっている。これはコロナ禍で、撮影者との接触を極力なくすことにも一役買っている。

河西氏の分析を鑑みると、このボードが写真の無断販売を防ぐファクターになる。レイヤー側はボードで「確認がない限りはネット上での公開禁止」「販売行為は禁止」「下半身だけの撮影は禁止」などの文言をしっかり明記し、カメラマン側に確認させる必要がある。そして撮影時、怪しい行動があれば撮影を即中断。写真チェックの上、撮影許可の取り消しを伝えることも重要である。

しかし会場には中学生や、高校生のレイヤーも多く、言葉巧みに近寄ってくるローアングラーを退けるには限界があるだろう。トラブルが起きたらまず会場スタッフを呼び、時には周囲にいる別のカメラマン、レイヤーが助けてあげることも必要となる。

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(取材・文/Sirabee 編集部・キモカメコ 佐藤

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