理解が進まない参院選の比例代表システム 「政党名で投票」が8割も
参院選の比例代表は衆院選と全く異なる仕組み。「政党名で投票」のデメリットは…。
■7〜8割が「政党名」で投票
総務省の発表によれば、2019年に実施された第25回参議院議員通常選挙で、比例代表の投票用紙に「政党名」を書いた人の割合は、最も多い日本共産党で90.4%。
上位6党の中では最も低い国民民主党でも、62.6%に及んでいる。
つまり7〜8割の投票は、「政党の議席数」には影響しても「その中で誰を当選させるか」という順位づけには全く関わることができない。言い換えると、個人名で投票しているわずか2〜3割の票が、当選者を左右しているのだ。
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■比例区でも個人の政策重視で
今回の参院選では、立憲や共産では候補者における女性比率が5割を超えた。しかし、もし「女性に当選してほしい」と思って投票しても、政党名で投票してしまうと自分の票は「個人得票が多い男性候補」の当選につながってしまうかもしれない。
また、組織をバックに立候補した候補は「個人名で投票を」と支持母体に号令しやすいかもしれないが、組織力が弱い候補は政策が魅力的でも下位に甘んじざるを得なくなる。
比例区にも各党が個性豊かな候補者を揃え、さまざまに具体的な主張をしている。中には「この政党は気に食わないが、候補者は好き」というケースもあるだろう。
じっくりとその政策や公約に目を通し、「政党名ではなく個人名での投票」をすることが、参院選比例代表で自分の思いを届ける有効な方策と言えそうだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)