横浜の時計で「時間を確認」してはいけない… なぜかメンタル崩壊する人が続出
横浜駅で発見されたという壁掛け時計、何かがおかしい。長時間見ていると「時」という概念が崩壊する恐れが…?
■考えれば考えるほど感覚が…
横浜駅では10時間制を採用してるらしい((((( pic.twitter.com/N0htMezrhd
— iPhone3GSを156台持ってるじーえす君 (@ia9k54) May 26, 2022
じつはこちらの時計は、ニュウマン横浜内の施設「Wall Street Museum」の1階に展示された『Spinout Hours 〜失われた2時間〜』という名前のアート作品で、2020年6月24日より展示開始。
The Chain Museumの遠山正道氏が作家として生み出した時計作品の問いかけをテーマにアーティストが作品を創造するシリーズの第4弾に当たり、遠山氏は「テクノロジーが発達して、人間は暗算などの基本能力をいとも簡単に退化させた。あらゆるものを合理的に単純化させた結果、12進法の時計も10進法に変更した。弾き出された2時間に、非合理があった。失われた2時間にあなたは何を思いますか?」と、非常に哲学的な問いかけを寄せているのだ。
なお件の時計の風変わりな点は、本来表示される「11」と「12」の欠如だけでなく…。
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■「針の位置」は同じなのがミソ
通常の時計と同じように使用できるのか尋ねたところ、担当者からは「時刻を確認する時計、として使用することはできません」という意味深な回答が。
「時刻を確認することができない時計って、それもう時計じゃないだろ」と突っ込みたくなった人もいるかと思うが、時計に表示された「数字の位置」を改めて見直してほしい。
戦争映画などでしばしば目にするのが自身の正面を「12時の方角」と定め、進行方向などを的確に伝えるシーン。この法則では3時が右、6時が後ろ、9時が左を意味するのだが…例の時計を見ると3が「右後方」とでも呼ぶべき下り気味の位置に見られ、反対側で対応している「左後方」に当たる数字はどう見ても6でなく7である。
極め付けは本来なら「6」が表示されるべき場所は「5」が陣取っており、やや左にズレているのが何とも不気味。「見ていると不安になる」という声が多かったのも頷ける。
そう、本来の時計であれば文字盤は5分刻みで数字を表示している(60÷5=12)のだが、件の時計は「2時間」を葬り去るために「6分刻みで数字を表示する」(60÷6=10)という暴挙に出ていたのだ。
そのため「1時間が60分」というルールの元で、本来の時計と全く同じ位置に針が動いているのだが、針に呼応する数字やマークにズレが生じている…というのが違和感の正体。
例えば通常の時計が「12時5分」を示してる瞬間、こちらの時計は針の位置が全く同じにも関わらず、「0時(10時)5分」を指し示し、「2時間が消失した世界」の時を静かに刻み続けているのだ。
一応、表示時間に2時間をプラスして考えれば通常の時計と同様に使用することも可能なのだが…この時計の表示に慣れ切ってしまうと、これまでの自分とは異なる自分になってしまいそうで恐怖すら感じられる。
なお、そんな記者の不安とは裏腹にThe Chain Museumからは「ぜひ、ニュウマン横浜でアートを体験をしてください!」という気さくなメッセージが届いているので、決して身構えず、気軽にアートを楽しんでみてほしい。
【施設詳細】
「Yokohama NEWoMan × The Chain Museum」
神奈川県横浜市西区南幸1丁目1−1
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)