埼玉に出現した自販機、とんでもない中身に目を疑う… 市民は「これもう戦争だろ」

埼玉県某所に設置された自販機。その「驚きの内容」を受け、市民からは戸惑いと嘆きの声が続出していたのだ…。

2022/08/08 04:45


 

■これもう、アニメ化して良いだろ…

まずはボトラーズ社に件の自販機の詳細について確認したところ、こちらは「狭山茶の認知拡大」を目的として「いるま野農業協同組合」と協働で取り組みを始めた狭山茶専用の自販機であることが判明。

そんな由緒正しき自販機がなぜこのような状態になってしまったかについて、ボトラーズ社 広報は「一時的に狭山茶の在庫量が不足し、当自動販売機への補充が難しい状況になりました」と前置きしつつ、「酷暑の夏を迎えるに当たり、水分補給のために飲料を買おうとした際に、売り切れで買えないというリスクの回避と『狭山茶ではないけれども暑さにのどを潤したい』『すぐに飲料を買いたい』というお客様のニーズに応えることを総合的に判断した結果、暫定的に『綾鷹』を補充させて頂きました」と回答している。

つまり「綾鷹」(宇治茶)には侵略の意図は一切なく、むしろライバルの狭山茶(入間市)が苦境にある状態を見て、助太刀のためにやって来たのだ。

入間市博物館 ALIT

主人公とライバルが「共闘」するという流れは、鉄板ながら非常に熱い展開。なお「綾鷹」が販売されていたのは7月16日から28日にかけての期間で、現在は従来の狭山茶が販売されているという。


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■これもツイッターが生んだ奇跡

じつは当初、入間市博物館でもこちらの事態を認識しておらず、ツイッターのタイムラインに流れてきた「埼玉ガチ勢」であるカナタTさんの投稿を見て気がついたそう。

入間市博物館 ALIT

そこですぐさま状況を確認し、ユーザーの混乱を招かぬよう「一時的に他の日本茶ペットボトルを入れております」という貼り紙を用意したとのことで、一連の微笑ましい流れに思わずクスリとしてしまう。

ちなみに、1994年に開館した入間市博物館の「ALIT」(アリット)という愛称はArt、Library、Information、Teaの頭文字を組み合わせた造語だそう。館内では「お茶」を筆頭に、地域の自然・歴史・民俗に関する展示を多数取り扱っているのが見どころ。

入間市博物館 ALIT

同館担当者は「三井アウトレットパーク入間から車ですぐですので、お買い物の流れで立ち寄って頂いても良いのではないかと思います」「8月から12月までは、常設展示室『入間の歴史』が臨時休室となっておりますが、8月は夏休みイベントとして『なつやすみロケット計画 in アリット』を開催します。お楽しみ頂ければ幸いです」ともコメントを寄せてくれたのだ。

入間市博物館 ALIT

なお「三大銘茶」の括りからライバルというイメージの強い宇治茶と狭山茶だが、狭山茶に精通した入間市博物館は「現在のような煎茶の『狭山茶』を作るに当たっては、宇治茶の製法を学んだり、宇治茶の種を買って入間の地に蒔いて育てたりという取り組みをしてきております」「狭山茶にとって宇治茶はライバルというより、かつて学んだ『師匠のような存在』の方が近いかと思います」とも補足している。

担当者はさらに「今回のエピソードを何かに例えるとしましたら『ウルトラマン』の最終回、ゼットン(原材料不足と酷暑)に倒されてピンチとなったウルトラマン(狭山茶)の元にゾフィー(宇治茶)がやって来た、という感じでしょうか」と非常に分かりやすいコメントを寄せてくれたのだ。それにしてもこの男、ノリノリである。

ライバルであると同時に、師弟関係にもあった宇治茶と狭山茶。そうした視点から見てみると、一連のエピソードがよりいっそうエモく感じられるのは記者だけではないはずだ。


【施設詳細】

入間市博物館 ALIT

「入間市博物館 ALIT」

埼玉県入間市二本木100

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

???「狭山茶、助けに来たぞ!」【Amazon】

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