3歳の幼児も「この方法」ならクラクション鳴らせる 母の提唱した特訓法が話題に
幼い我が子が、バス内に置き去りにされてしまったら…。不安と心配に駆られた全国の保護者から様々な意見が上がっている。
■大人の「この行動」が後々引き起こすのは…
バスの置き去り事故を踏まえて、年少の娘と緊急時車のクラクションを鳴らす訓練しました。
車のクラクションは子どもの力では鳴らせないので、登園時持っている水筒を当てて立って体重をかければ娘の力でも鳴らせました。
緊急時周囲に異常を知らせることができます。#拡散希望RTご協力お願いします pic.twitter.com/i38Nec1PDl— こよみ (@koyo_1213) September 8, 2022
ツイート投稿主・こよみさんは今回の取材に際し、「大人のミスで起こった事件で娘にこのような対策を覚えさせることが、とても心苦しいです」「結局覚えさせたところでパニック状態のなか冷静に対処できるとも限りませんし、クラクションが鳴らない車、ハンドルの形が異なるケースなどを思うと、やはり一番は大人が気を抜かないこと、目を離さないことだと思います」と胸中を明かす。
しかし事故・事件というのは予想外の事態から発生するケースが非常に多く、まさに「気をつけ過ぎるということは無い」という表現が適切だろう。
実際、こよみさんも「災害や事故などはいくらでも起こりうるとも思うのですが、私自身はクラクションを鳴らすことを教えるという判断に至りました」とも振り返っている。
また、こよみさんはこうした指導・特訓を経て、子供が「誤った場面」でクラクションを鳴らしてしまった場合の「大人の対応」にも憂慮しているようで…。
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■子供が「誤った場面」で鳴らしたら…
というのも、今回の事件のようなケースを我われ大人は「非常事態」として認識し、平時におけるクラクションとは異なる使用法にてSOSのサインを周囲に発信する…というのが、件の特訓の要点である。
しかしこの「非常事態」の判断は子供には非常に難しく、大人ですら正常性バイアスが妨げとなって避難が遅れ、最悪のケースを招いてしまう事態も珍しくないのだ。
そのため今回の事件をきっかけに我が子と何らかの特訓を行なう際は、我が子が「(非常時と判断したが)非常事態以外の場面で実施してしまった」場合、そして「故意に、イタズラで実施してしまった」場合にかける言葉を、慎重に選ぶべきである。
「理由もないのにクラクションを連打する」行為は本来であれば注意されるべき行為だが、「大人に強く叱られた」という記憶が強烈に残ると、「クラクションを鳴らす行為」そのものを「叱られる行為」として認識し、緊急時に選択を躊躇するケースも考えられるだろう。
今回の事件を受けて「園児と一緒にバスのクラクションを鳴らす練習」に取り組む保育園や幼稚園、さらにはこよみさんのツイートに対して「そんなことをする前に、大人が子供を見落とさないシステムを作るべき」という意見を寄せる人もいるが、これは些かピント外れな意見に感じられる。
もちろんそうしたシステムが重要且つ、完備すべきものであることに疑いの余地はないが、不測の事態というのはいつ、どのような状況で発生するか分からないもの。加えて前出の通り、幼い我が子を持つ保護者の多くは「子供の安全のために、何かをしてあげたい」という漠然とした不安を抱いているのが現状である。
これら2点を鑑みて、今回話題となったツイートのような対策、および特訓を家庭内で話し合っておくのはとても大切なことだろう。その際は「我が子が間違えてしまった際」の指導についても、併せて考えておきたい。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)