『世界遺産』で日本一新しい縄文遺跡を2週連続特集 当時の暮らしを紐解く 

10月2日・9日の『世界遺産』は、1年以上かけて撮影された「北海道・北東北の縄文遺跡群」を特集する。

2022/09/16 17:00


 

■10月2日のみどころ

世界遺産

【日本最大の縄文集落~青森県・三内丸山遺跡~】

縄文時代の最大の特徴は、人々がそれまでの移動生活をやめ、集落を作り定住を始めたこと。その中でも日本最大の集落が、青森県青森市にある三内丸山遺跡だ。

当時は海の水位が今よりも高く、陸奥湾に面した集落には大通りが走り、居住域や墓域、巨大な建造物が立ち並ぶエリアなど区域ごとに画然と配置が分かれていた。その最盛期の三内丸山の姿を実写とCGを交えて描く。

【縄文遺跡の四季、北国の冬をどう乗り越えたのか~岩手県・御所野遺跡と北海道・大船遺跡~】

農耕が始まる前、狩猟採集を主な生活手段としていた縄文時代。2つの遺跡を舞台に、当時の暮らしぶりを紐解く。

岩手県の御所野遺跡は、細長い台地の上にある集落跡。発掘状況から屋根に土をかぶせた住居もあったことが初めて分かり、それが再現されている。今でも遺跡住居内の炉で薪を燃やしているが、それは煙によって虫やカビが防止されるという、生活の知恵である。

北海道函館市の大船遺跡は、大規模集落の跡。近くの大船川では秋になると鮭が遡上する。こうした自然の恵みをどのように狩猟採集し、食物を貯蔵したのかを出土物から解説する。四季折々の景観、とくに秋と冬の印象的な映像が、当時の生活を彷彿とさせる。

【縄文の「ストーン・サークル」と儀礼の場~青森県・小牧野遺跡と二ツ森貝塚~】

青森県の小牧野遺跡には、石を組み円を描くように並べた環状列石、いわばストーン・サークルが残る。ここは縄文人の墓で、さまざまな儀礼が行われていたと考えられている。

二ツ森貝塚は小川原湖近くにある遺跡。小川原湖は元々は内陸に入り込んだ湾で、やがて海水と淡水が入り交じる汽水湖に変化したため、貝塚から見つかるものもホタテやハマグリなど海生生物からシジミなどの汽水域の生きものに変化している。

この貝塚からは食べ物だけではなく、土器や道具、腕輪などの装飾品が見つかっている。こうしたことから貝塚は一般的なイメージである「食べ物の廃棄場」ではなく、さまざまなものを「あの世に返す場」という儀礼的な意味を持つ場所だったのではと近年は考えられている。

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