何もなく無事終わった安倍元首相の国葬 岸田政権の外交的難題は続く
安倍晋三元首相の国葬は無事に行われたが岸田政権の支持率はアップする兆しは見えない…。
■政治経済のバランスで悩む岸田政権
最大の外交的難題とは、政治と経済のバランスだ。ロシアがウクライナへ侵攻したことで、岸田政権は対ロ非難を強め、今日、日露の政治関係は外交関係樹立以降で最も冷え込んでいる。
しかし、サハリン2のように、政治的喧嘩でヒースアップしても、今日ロシア産エネルギーに依存せざるを得ない日本としては、政治と経済の間で如何にバランスを取るかが重要になる。
リスクがある国への出資や投資はなるべく避けたいところだが、今後ウラジーミル・プーチン大統領が天然ガスの日本向け輸出などで制限を掛けてくる恐れも十分にある。
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■輸出入品がストップする可能性も…
また、日中関係でも同じことが言える。今日、日中双方とも必要以上の関係悪化は避けようとしているが、台湾有事などが発生すれば、その回避は極めて難しくなる。
台湾有事では、自衛隊は米軍支援に回ることになり、そうなれば中国が日本への態度を硬化させ、日本向け輸出品、日本からの輸入品に対してストップをかけてくる可能性もある。
岸田政権は安倍政権を受け継ぐ形で、外交面で最大限やっている。しかし、安倍政権時以上に大国間競争は激化しており、政治と経済のバランスをとることは難しくなってきている。
今後、岸田政権が政治と経済の狭間に落下するようなことがあれば、今回の国葬時に見られた時よりもっと大きな退陣デモが発生する可能性があろう。
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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)