名門大学でベテランの教授が解雇 「授業が難しすぎる」と学生が署名活動 

悪いのは教授か、それとも理解しようと努力しない学生か。驚きの前例ができたことに波紋が広がっている。

2022/10/11 06:30

大学・教室

アメリカ東海岸の名門大学で、学生たちが署名活動を実施し、「授業が難しすぎる」という理由で1人の教授が解雇されてしまった。教えていたのは化学のなかでも難解とされている科目で、学生の側に心構えが足りなかった可能性もありそうだ。

『Fox News』『NEW YORK POST』などが報じ、教育関係者の間でも波紋が広がっているという。



 

■指導力は高評価の教授

騒動の舞台となったのは、アメリカ東海岸の名門大学のひとつであるニューヨーク大学(NYU)の大学院。そこで有機化学を指導していたメイトランド・ジョーンズ博士が、思わぬ理由から突然解雇を言い渡されたという。

ジョーンズ教授は84歳。大変なベテランで、ニュー・ジャージー州の名門プリンストン大学で40年間も教え、指導力の高さから受賞歴もあるという。


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■テストの点数が低すぎる

ところが少し前のこと、教え子たちが突然「ジョーンズ教授の授業が難しすぎて理解できず、多くの学生が中途で受講を断念している」「教授がホワイトボードに書いたものをノートに写すと怒られる」などと抗議の署名活動を始めた。

350人の学生のうち82人が署名したものが学部長宛てに提出され、調査してみると、学生たちのテストの得点は確かにひどいものだった。その結果、ジョーンズ教授の解雇が決定したという。

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■学生たちの学力低下も問題か
テスト学生アメリカ教授解雇署名活動翻訳記事受賞歴有機化学ニューヨーク大学プリンストン大学
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