習近平氏、中国が米国を追い抜くと明言 台湾へ「武力行使を決して放棄しない」

5年に1度の共産党大会、異例の3期目の独裁者となった習近平氏。“世界一の中国”を目指してまっしぐらだ。

2022/10/23 18:40

中国 国旗

中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は16日、この5年間の共産党政権の成果を演説し、その中で中国の建国100周年にあたる2049年までに、中国が米国を追い抜く決意を表明した。



 

■中国は米国を追い抜く

習国家主席は社会主義現代化強国を実現させ、中華民族の偉大な復興を推進し、建国から100年となる今世紀半ばまでに米国を超える強国を建設するとした。

今でも米国が世界一の大国と思っている日本人は多いが、実際、経済力で中国は米国に接近しているのである。今後は日本周辺の安全保障環境も中国優位で動いていく可能性が高く、“世界一の大国中国”はけっしてハッタリではない。

2030年、2040年代には米国を抜くとの指摘もあり、仮に抜けば中国による対外的姿勢はいっそう強硬なものになり、日本は極めて難しい立場に追いやられることは確実だ。


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■台湾への武力行使も辞さない

また、習国家主席は昨今緊張が高まる台湾についても言及し、「祖国の完全な統一は必ず実現しなければならないし、間違いなく実現できる」とし、「平和的な統一を堅持するが武力行使を決して放棄しない」と警告した。

今回、習国家主席は3期目の続投が確実視されているが、そのためにも周辺や国民から強い支持を得る必要がある。よって、武力行使も辞さないとする決意も決してハッタリではない。

当然ながら、台湾侵攻となればリスクやコストを伴うので、軍事侵攻が最終手段から外れることはないだろう。


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■台湾の挑発に憤り

しかし、最近、台湾には欧米各国の指導者レベルの重鎮たちが相次いで台湾を訪問し、対中国で結束を図っている。習国家主席はそういった台湾側からの挑発に強い憤りを覚えており、いつの日か怒りが頂点に発し、武力行使で応じてくる恐れは排除できない。

我々日本人は中国と台湾を別の国家のように扱うが、中国からすれば言葉も文化も同じ同民族であり、台湾はあくまでも国内なのである。よって、そもそも戦争という概念がないことから、武力行使のハードルも決して高くはない。

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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中

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