ソウル・梨泰院事故の悲劇で国民の反発拡大 ユン大統領は辞任リスクも
先月29日、ソウル・梨泰院にて若者たちが折り重なるように倒れて150人以上が死亡。日本人2人も犠牲に…。
韓国の首都ソウルにある繁華街・梨泰院(イテウォン)で先月29日、ハロウィンを楽しむ若者らが一斉に折り重なる形で倒れ、日本人2人を含みこれまでに150人以上が死亡するという悲劇が発生した。
犠牲者には多くの外国人が含まれるが、犠牲者の半数以上が女性で、その殆どが10代や20代の若者だったという。
■楽しいはずの夜が悲劇の夜に
これまでの報道だと、当時梨泰院には芸能人がいて、それによって人々の間でパニックが置き、人間ドミノになってしまったとの見方や、人でごった返す中男性のグループが周辺の人々を押したとの見方も上がっているが、根本的な原因は分かっていない。
事故から1週間が経過し、現場近くには今でも亡くなった人を追悼するため、写真やお酒、お菓子などを持ってくる人が絶えない。
関連記事:Matt、梨泰院の転倒事故にニアミスしていた 「ちょうど僕たちも…」
■国民の怒りや不満が警察に向けられる
しかし、現場近くで書かれる追悼メッセージなどをみると、国民の怒りや不満は警察や政権に向けられている。
とくに、悲劇の夜、梨泰院に人がごった返すようになるにつれ、そこにいる人々からは“危ない”、“警察が陣頭指揮を取れ”のようなヘルプを求めるメールや電話が警察に殺到するようになったが、現場近くにいる警察は十分な対策を怠っていたという。
警察の対応を巡っては今日にまで多くの不手際が明らかになっており、警察の問題点はどこあったかなどの検証が急がれている。
関連記事:Matt、梨泰院の転倒事故にニアミスしていた 「ちょうど僕たちも…」
■第2のセウォルか
また、この事故を巡っては、2014年のセウォル号沈没事故になぞられ“第2のセウィル”と呼ぶ声もある。セウォル号沈没事故は2014年4月、韓国南西部の海域で修学旅行生が乗る船が沈没し、死亡者行方不明者合わせて300人以上になる悲劇となった。
この際、船長が先に逃げるというあり得ない事実とともに、当時の朴クネ政権の不手際が強く指摘され、結局同事件が朴クネ政権の崩壊のきっかけとなった。
今回の事件でも日に日に国民の不満が政権に向けられているように思う。このまま国民を納得させる説明ができなければ、現ユン政権が第2のセウォルの餌食になる恐れもあろう。
・合わせて読みたい→女性を圧死させた象が葬儀に現れ遺体を蹴り上げる 執念深さに人々は仰天
(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)