山形で遭遇したベンチ、何かがおかしい 「県民の覚悟」がキマり過ぎと話題に…

街中で発見したベンチ。そのデザインから「山形県民の本気」が伝わってくると話題になっており…。

2022/11/15 04:45



■ベンチ設置の背景に思わず納得

山形市内の建築物で最高の高さを誇る霞城セントラルはランドマークとして機能しており、行政や県市および、10数社の企業が共同開発を手がけた官民複合型の高層ビル。

オープン日は2001年1月1日となっており、山形新都心開発の担当者は「21世紀の幕開けを意識していました」と振り返っている。

まさに歴史に残る一世一代の大事業に当たり、市内では小中学校、高校を対象に「山形で有名なものをベンチにするなら?」という一般公募を実施し、その中の「芋煮」に関する案が見事採用された…というワケだ。

なお、設置されたベンチは計5種類存在し、芋煮の他にはラ・フランスやぶどうなど、フルーツ王国・山形の名にふさわしいベンチも見られるのだとか。

また山形は工業、およびもの作りが盛んな土地でもあり、担当者が「芋煮鍋のベンチの金属部分や、中央のテーブル部分は『山形鋳物』という地場産業の職人が手がけております」と補足していたのも印象的であった。

やはり「芋煮の中に人間が入っている」デザインは、設置から20年以上経っても定期的に話題となっているようで、担当者は「今年、日本一の芋煮会フェスティバルが3年ぶりの開催となったので、こちらも今回注目を集めた一因かもしれませんね」とも分析している。


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■山形県民にとって「芋煮」とは…

芋煮ベンチ

なお、件のベンチには「日本一のいも煮会」と大きく書かれているのだが、担当者の口から出た「日本一の芋煮会フェスティバル」なるイベントおよび、運営団体とは一切関係がないそうだ。よく見ると「いも煮」と「芋煮」で、微妙に表記が異なっている。

とは言え、フェスの名前を見て分かるように、芋煮を愛する山形県民の中でも「熱いパッションを注いでいる団体」ということは明らか。

これも何かの縁と感じ、同フェスを運営する「日本一の芋煮会実行委員会」担当者に「山形県民にとって芋煮とはどのような存在か」を尋ねたところ、「山形県民にとって、芋煮はふるさとの味です。そして、日本全国に誇ることのできる『食文化』だと考えております」という回答が得られたのだ。

また、団体の活動理念については「『地域を愛し、日本を愛する』という宣言のもと、毎月の例会を行ない、地域の発展に寄与する団体です」「秋の風物詩となっている『芋煮会』を通じて皆様の笑顔、そして地域活性につながるように活動しております」とのコメントが寄せられており、芋煮が山形のソウルフードであることを、再認識させてくれた。

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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ

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