大山加奈「バスに双子ベビーカー突入」から「子連れスタバ批判」の煉獄
「双子ベビーカー乗車拒否」「子連れでスタバ叩き」が物議を醸している。ネット住民に本音を聞いてみたところ“ある傾向”が顕著となった。
■公共の場で困った・迷惑した経験は?
Q. ご自身や、他の子育て世帯などで、公共の場所で困ったり、迷惑したご経験について、差し支えなければ簡単にご状況やお感じになったことをお聞かせください。
むむ。やはり、子連れの父ちゃんより母ちゃんのほうが、全体的に大騒ぎして言うことを聞かない自分の子どもで困ったり、誰かの子どもで迷惑したりという経験を多くしているようですな。では、お前らの子育て経験をクロス集計してみましょう。
傾向として、子育て経験がある人が圧倒的に子どもで困った経験を持っていると言うことは、逆説的に子どもが騒いであわあわする機会は多いものの、自分の子どもで困るはずがない子育て経験のない男女のほうが低率なのを考えると、自分の子どもが騒いで困っているものの周囲は別に気にしていなかった可能性が示唆されます。
確かに私も電車やレストランで子どもが大騒ぎして「静かにしろ、周りに迷惑だろ」とあやして叱ることもありましたが、数字で見るとこの落差で考えれば騒ぐ子の親が思うほど周りは迷惑を感じておらず暖かい目で見てくれていたのかもしれません。
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■特徴的なのは女性側の受け止め方
また、同じく傾向値として、「子育て経験のない男性」は、騒ぐ子どもに不寛容の可能性が高いこともここで示唆されます。子育て経験のない男性の年齢が上がるほど、子どもに対して迷惑を感じた率が高くなっていき、65歳から69歳男性でピークになります。
少なくとも、子育て経験のある男性は加齢とともにそう大きくはガキがウゼェとは思う率が上がらないようです。まあ、なんだかんだ自分の子どもが騒いで迷惑かけた経験があれば、他人の子どもが騒ぐことに寛容になるのも当然と言えます。
ただ、傾向としておっさんのほうが加齢とともに子どもへのムカつき度合いは強くなるようです。世に言う「騒ぐ子どもにキレる他人のオヤジ」の出現率が高いことを考えると、どうも世の中の子育てへの風当たりの強さの原因はもっぱらジジイの側にあるように見受けられます。
特徴的なのは女性側の受け止め方で、子どものいない女性は他人の子どもが騒ぐとウザがるものの、その後、ご出産をされたかされないかに関わらず、加齢とともに大きく数字は変わることなく静かに枯れていくのが視認されます。
生涯子どもは持ちたくない、嫌いだと考える女性は別の統計では15%ぐらいと低率であることを考えると、この世の暖かさは女性がある程度支えているのかもしれません。
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■「スタバに子連れ」はどう思う?
ついでに、お前らに「スタバに子連れ」そのものの是非についても質問しています。悲しいことに、一部の県のパネリストからは「スターバックスって何?」とか「人生で一度でいいからスタバに行ってみたい」などという悲痛な回答が複数寄せられ、調査に当たった私の涙腺を刺激しました。
Q. スターバックスへ、まだ大泣きしたり立ち歩いたりする年齢(0歳から3歳ぐらいまで)の子ども連れで入店することの是非が話題になっています。あなたは子どもを連れてスターバックスに入店することに対してどう思いますか。もっとも近い意見のものをお選びください。
・a:まったく構わない。歓迎する
・b:子どもの泣き声や立ち歩きは気になるが、仕方ない
・c:日によって、感じ方が異なる
・d:子どもがいるのは構わないが、騒いだり歩き回るのは嫌だ
・e:子ども連れはスターバックスに入店するのは許せない
・f:どうでもいい、あまり考えたことがない
ここでビックリ、我らのスタバ利用については寛容度に男女逆転現象が。加齢でとくに態度に有意な差はないけれど、傾向として男性のほうが全体的に「子どもがスタバで騒いでいても構わない」「スタバで騒いでもどうでもいい」という差異が勃発。なんだこれ。
仮説としては、おっさんがスタバに入るのはスマホでクソ記事読んだりゲームしたりとひとりの時間を過ごす傾向が高い一方、女性はババアを中心に友達との語らいや同僚とお茶するようなコミュニケーション主体の利用であるため周りで子どもがうるさいと話が聞こえなくてダルいとかそういうことなのかもしれません。
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■「社会における独身男性の不寛容さ」が顕著
ただ、全体的に増田で書かれてたような「スタバで子どもが騒いでる」件でお前ら子連れはスタバに来るなと思ってる男女の割合はどちらも1%台でほぼ誤差であり、これはもう子育て世帯は文句付けてくるマイノリティーはガン無視でいいからどしどし赤ちゃん連れてスタバでお茶して良し! 文句付けてくるやつは異常者! 騒ぐ子どもはお互い様! 快適な育児ライフに日本社会はもっと貢献しろ! と胸張っていいと思いますね。
全体的に、こんなテーマでも「社会における独身男性の不寛容さ」が少し目立つ格好となりました。割合的にはそこまで大きくないようにも見えますが、一応は有意差をもってジジイが出しゃばって世間にいろいろ言うとろくなことがないという結論に達することになりますので、心がけとして、独身男性は特に歳を経るごとに心穏やかに、寛容である自分を心がけるようにすると世の中が良くなるのではないでしょうか。
すべての人に、ちょっとした心がけでストレスの少ない快適な世の中を。
Sirabeeでは、切れ味鋭い社会批評で知られる投資家の作家の山本一郎(やまもといちろう)さんの連載コラムを公開しています。ネットで話題となったテーマをアンケート調査データと組み合わせて分析していく連載です。
今回は「議論を呼んでいる『バスに双子ベビーカー突入』から『子連れスタバ批判』をネット住民の見解とともに考察」を掲載します。
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(取材・文/山本一郎)
対象:全国10代~60代男女
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