2023年中国が台湾に軍事侵攻する? 日本が戦場になる可能性も
2022年に台湾情勢は一気に緊張が拡大。中国は依然として台湾への武力行使を排除しておらず、沖縄を中心に日本は戦争に巻き込まれる可能性も。
近年、中国と台湾の関係は冷めきっており、台湾が米国と防衛協力を進めることで、習近平国家主席の台湾や米国への怒りや不満はこれまでになく強まっている。
■2022年は台湾有事へのカウントダウン?
そのような中、昨年8月に米国のナンバー3であるペロシ米下院議長の台湾を訪問したことで、中国の沸点は頂点に限りなく近づいた。
その後、中国は台湾周辺で軍事演習やミサイル発射を繰り返し、軍事的挑発ではこれまでにない大規模なものになった。今でも中国は台湾への軍事攻撃のオプションを排除しておらず、今でも緊張は高いままだ。
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■2023年にXデーはやってくるのか
しかし、2023年に習氏が我慢できずに台湾へ武力行使を決断する可能性は低い。これは専門家の間でも多数意見だ。
専門家によると、今の時点で台湾本島を短期間のうちにダメージ少なく支配下に置けるほど、人民解放軍に力はなく、台湾軍の力を過小評価するべきではないという。
また、中国国内では経済成長率が鈍化し、ゼロコロナなどで国民の不満が募っており、仮に台湾への武力侵攻で失敗すれば、習氏は窮地に追いやられる可能性もあり、簡単に決断できる問題ではないという。
■危険なのは2024年以降か
一方、より危険なのは2023年ではなく2024年だという見方もある。じつは、2024年1月に台湾では次期リーダーを選ぶ総統選挙が実施される。中国と仲の悪い今の蔡英文氏は今の任期で終わりなので、違う人は選ばれることになる。
ここで問題となるのは、蔡英文氏のように独立志向を掲げる人が勝利するのか、もしくは独立反対、習氏と仲良くしたいを掲げる人が勝利するのかだ。仮に、前者が勝利すれば台湾有事のリスクは高まり、後者であると低くなる。おそらく2023年、習氏は1年を通して台湾の総統選挙の行方をじっくりと注視することだろう。
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(取材・文/セレソン 田中)