老舗の和菓子店、座布団に隠された物体に目を疑う… 「信じられない」と怒りの声

W杯における日本サポーターのゴミ拾いが話題となっている裏で…。国内には依然として「ポイ捨て」をめぐるマナー違反が存在する。

2023/01/11 04:45


世界中で大盛り上がりとなったサッカー・ワールドカップ(W杯)カタール大会。ジャイアントキリングを成し遂げた日本代表に対してだけでなく、スタジアムのゴミ拾いを積極的に行なう日本サポーターにも称賛の声が寄せられていたのは記憶に新しい。

しかし時を同じくして、日本国内では目を疑う「ポイ捨て問題」が発生していたのをご存知だろうか…。

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■座布団の下で発見したのは…

今回注目したいのは、静岡県熱海市の和菓子屋「ときわぎ」ツイッターアカウントが投稿した1件のツイート。

熱海 本家ときわぎ

「店内の掃除をしていたら、椅子の座布団が、もっこり不自然な形状に。何じゃろなぁ? と思って覗きましたら、ゴミが隠されておりました。今までにない、ポイ捨て技です。正体は、お菓子の包装紙でした」と綴られた投稿には、座布団下に放置されたゴミを捉えた写真が添えられ、「食べ歩きをするときは、必ず生まれるゴミの存在を考えて頂きたいです。日本人の清く正しい心は何処へ」と、問いかけるような文章が続いていた。


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■「隠さず持って帰れ」と怒りの声

「ゴミをポイ捨てする」だけでもマナー違反なのだが…件の光景からは「バレないよう(その場しのぎの)証拠隠滅を図った」という小細工が透けて見え、なんとも気分が悪くなってくる。

同ツイートには「マナーの悪い観光客って迷惑ですね」「隠さず持って帰れよ…」「店内でこんな捨て方をする人がいたということに、とてもショックです」など、同情の声が多数寄せられていたのだった。

熱海といえば、日本有数の観光スポットの1つ。そこで今回は、ツイート投稿主である「ときわぎ」の担当者に、観光地をめぐるゴミ問題の実情について話を聞いてみることに…。


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■観光地の「ジレンマ」に涙

「全国旅行支援」の影響もあって昨今は多くの観光客で賑わいつつあるという熱海だが、ときわぎ 担当者は「そんな中で食べ歩きも急増し、色々な種類の食品がお客様の旅のお供となっております」と表情を曇らせる。

当然「食べ歩き」をする際は移動中であり、食べ終わった地点でタイミング良くゴミ箱を発見できるとは限らない。しかし昨今では防犯などの意味合いからゴミ箱の数が減少しているようで、担当者は「邪魔になったゴミを手っ取り早く手離すため、今回のような『隠す』という残念な行為が生まれたのだと思います」とコメントを寄せてくれた。

また「残念」に感じると同時に「自分たちの商品のゴミも、どこかの店にこうした形で迷惑をかけているかもしれない…」という考えが頭をよぎり、「恐怖」を覚えたとも振り返っていたのが、じつに印象的であった。

熱海 本家ときわぎ

実際は責任を感じるべきなのは「ポイ捨てを行なった人物」なのだが…。客商売を営む同店の、責任感の強さが窺えるエピソードではないだろうか。

なお、過去にもゴミを意図的に置き逃げする客は数名いたが、「隠して逃げ去る」という行為に遭遇したのは今回が初めてだそうで、件のツイート投稿に至ったという。

ときには買い物もせず、ビールの空き缶を放置して「これ捨てといて」などと要求し出す人物もいるとのことで…思わず耳を疑ってしまった。


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■特にゴミが集まりやすいのが…

前出の通り観光地として名高い熱海は、年間を通してイベントの多い土地である。特に「花火大会」に力が入っているのだが…多くの人が集まると同時に「放置されるゴミの数」もグンと増してしまう。

ときわぎ 担当者も「花火大会の翌日の歩道や垣根には、空き缶、空き瓶、タバコの吸い殻、お弁当の空き箱などが、あちこちで発見されます。当店の周りでも必ず見つかります」「恐らく、一人ではなくグループでの振る舞いのような気がします。花火を見ながらの飲酒、飲食、喫煙は複数人での行動で、不要になったゴミに対しても『みんなで捨てれば怖くない』という心理が働くのかもしれません」と、当時の様子を振り返っている。

観光客によるマナーの厳守は勿論だが、それにも限界を感じているようで「街へのポイ捨てはイベントがある度に増えて、一向に減る気配がありません。これは町全体の問題ですので、市に実態を把握した上での対策を講じて頂きたいと思っております」とのコメントも得られた。

熱海 本家ときわぎ

今回の取材に応じてくれたときわぎの創業は1918年(大正7年)。今年105年目を迎える、老舗中の老舗である。看板商品の「百年羊羹」は水飴を使用せず、小豆の風味を堪能できるよう、あっさりした仕上がりが特徴的な逸品で、担当者も太鼓判を押していた。

熱海の街を長年見守ってきた同店の担当者が口にした「きっと私どもだけでなく、多くの商店が同様の体験をし、困っていらっしゃると思います」「あのW杯での、日本人の美しい振る舞いを、多くの方に今一度お手本にして頂きたいです」というコメントが、胸にずしりと響いて感じられた。

「日本の美徳」を真の意味で世界に発信するためにはまず、国内にいる我々がゴミに対するマナー、そして意識を改善していくべきである。

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■この光景、何度見てもおかしい…
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