”キモいおじさん”発言、6割がヘイトスピーチと認識 専門家も「名誉感情を侵害」
昨今、SNSなどで頻繁に見かける「キモいおじさん」「キモいおばさん」といった発言。世間の印象を調査した。
断片的な言葉を投稿するため、誤解や対立が起きやすく、拡散しやすいソーシャルメディア(SNS)。最近、ツイッターを中心に頻繁に見かけるのが、「キモいおじさん」「キモいおばさん」という苛烈な言葉だ。
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■「キモいおじさん論争」が勃発
「キモい」は気持ち悪いの略語で、主観的に見た生理的嫌悪感を意味する形容詞である。こうした厳しい言葉のぶつけ合いになっているSNSの状況について、ひろゆきこと西村博之氏も危惧。
「『キモイ』と内心で感じるのはいいと思います。ただ、他人に『キモイ』と公言するのを許容するのは、『キモイおばさん』と公言する人も許容することになります。『キモイおじさん』『キモイおばさん』と言い争うのは”マシな世界”とは思えないおいらです」と警鐘を鳴らしている。
インターネット空間を殺伐とさせる「キモいおじさん」「キモいおばさん」という言葉だが、いわゆるヘイトスピーチには当たらないのか。世間はどのような印象を抱いているのだろうか。
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■6割が「おじさん・おばさん」ともヘイト
Sirabee編集部は、全国10〜60代男女1,000名を対象に調査を実施。「キモいおじさん」「キモいおばさん」という言葉について、それぞれヘイトスピーチに当たると思うかどうか意見を聞いた。
その結果、全体の60.6%は、「キモいおじさん」「キモいおばさん」のいずれについても「ヘイトスピーチに当たると思う」と回答。
「キモいおじさんはヘイトだがキモいおばさんはヘイトではない」との回答は2.3%、その逆で「キモいおばさんのみヘイトに当たる」と答えた人は1.0%。「どちらもヘイトスピーチではないと思う」という回答は36.1%だった。
「キモい」という攻撃的な言葉への評価は、対象が男性であっても女性であってもほぼ差が見られない。6割を超える人がヘイトスピーチだと認識していることがわかる。
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■女性の視線が厳しい
今回の調査結果を男女年代別で検証してみると、興味深い傾向も判明した。
上記のように極めて少数であった「おじさんの場合だけはヘイト」「おばさんの場合のみヘイト」という回答を除き、「キモいおじさん・キモいおばさんはいずれもヘイトスピーチ」と答えた人は、全ての世代で女性が男性を上回った。
最も割合が高かったのは60代女性で72.7%が「ヘイトスピーチだと思う」と回答。10〜20代女性が72.4%で続く。なお、最も割合が低い10〜20代男性でも44.0%と4割を超えている。
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■専門家も「名誉感情を侵害」
世間の6割以上がヘイトスピーチだと認識している「キモいおじさん・キモいおばさん」といった発言。
法律の専門家にも話を聞いたところ、「『キモいおじさん』等の言葉は、公然と、特定の人に対して発信すれば、その人の名誉感情を侵害する誹謗中傷になる言葉にもなり得る」とのことだ。
SNSを運営するプラットフォーム企業においても、差別的で人を傷つける恐れがある発言・投稿については、適切な対応や取り締まりを期待したい。
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)