前澤友作氏の「シンママ限定アプリ」配信停止 元マッチングアプリ運営が指摘する問題点
前澤友作氏監修のシンママ専用マッチングアプリ「coary」の問題点を元マッチングアプリ運営に聞いた結果…。
実業家の前澤友作氏が監修し、27日に開始した、シングルマザー限定マッチングアプリ「coary」が、シングルマザーの子供を虐待することが目的の男性により悪用される可能性がある」とし、28日に配信を停止した。
■元同業「配信停止の選択は正しかった」
日本シングルマザー支援協会の公認を受けていたアプリで男性登録者は身分証の提示のうえ、月額の利用料が必要と一見「まともな人物」しか利用できないようにも見える。
しかし、女児を持つ親がプロフィールを登録すると、それ目当てと思われる男性と多くマッチングするという声もSNSであり、不安がる人も見受けられた。
実際のところ同業者から見て「coary」はシングルマザーにメリットが多いアプリになっているのだろうか?
そこで元マッチングアプリ運営会社でディレクターやカスタマーサポートを行っていた人物に話を聞くと、残念ながら現状はメリットよりデメリットが多く感じられ、前澤氏の配信停止の選択は正しかったという意見を得ることができた。
そのデメリットとはいったい何なのか? さらに聞いてみると、元マッチングアプリ運営会社社員の男性は以下のように詳しく語った。
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■子供と接触を試みる男性が出てもおかしくない
「まず、女性はシングルマザーしか登録できないという仕組みが良いのか疑問です。私の担当していたマッチングアプリは身分証を確認すれば誰でも利用できる女性無料・男性有料のサイトでしたが、基本的には若い未婚の女性に多くメッセージが届いており、子供のいる女性はあまり人気が高くありませんでした。
誰でも登録できるマッチングアプリと同じように男性有料なら、普通はそちらに登録しますよね。勧誘などを目的とした業者の数は少ないのかもしれませんが、そもそもシンママとしか出会えないのであれば、通常の出会いとは異なる何か別の目的を持った男性から注目されるはずです。
そのため、シンママ限定にした場合、ネット上で問題視されていた『シングルマザーの子供を虐待することが目的の男性』の登録を誘ってしまうことは想像できますし、不安がる女性が出るのは仕方がないかなと思います。また、直接的に虐待を目的としていなくてもシンママに金銭を払い、子供と接触を試みる男性が出てもおかしくないのではないでしょうか」
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■男性側も「シンパパ限定」に
「coaryがサービスを再開するとしたら当然多くのシングルマザーの方の意見を聞くのは当然ですが、元同業の意見を挙げるとすれば男性側も『シンパパ限定』にし、女性・男性ともに月額料金を支払うようにするのが良いと思います。さらに安心感を高めたいのであれば、『女児を持つシンパパと男児を持つシンママ』を優先的にマッチングさせるのもありかと。
もし余裕のないシンママを助けたいのであれば、以前私が勤めていた会社のアプリでもやっていたのですが『収入証明』を出してもらい、それが一定の額に満たない場合は月額料金の免除や割引などのサービスを受けられるようにすれば良いのではないでしょうか。
また、シンママ・シンパパともに子育ての知識を共有したり、子育てのプロから意見を貰える掲示板などがあると月額利用料を取るアプリとしてさらに良くなるかもしれないですね」
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■どのような改善がなされるのか
確かに女性利用者の不安を拭い去るには、男性側が「どのような理由でシンママと交際をしたいのか」を事前にシンママ側が把握できることは必須だろう。
前澤氏がどのような改善をしたうえでcoaryを再開するのか? すべてのシンママが納得できるアプリになれば良いのだが…。
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(取材・文/Sirabee 編集部・熊田熊男)