突如無音になったCDプレイヤー、出てきた物体に目を疑う 「怖すぎる…」と驚きの声
音楽を再生中、突如プレイヤーが無音に。取り出したCD-Rの「変わり果てた姿」が、ネット上に衝撃を与えているのだ…。
■今回CD-Rの身に起こったのは…
CD-Rに書き込んだ音楽聴いてたらいきなり無音になって、???って思いながらCD取り出したら透明のズルムケになってるんやけど。こんなことある!? pic.twitter.com/sZJvFcZDka
— yishii (@yishii) January 5, 2023
続いてはCD-Rの「構造」について尋ねると、ディスクの厚さは1.2mmで、ポリカーボネートの基板の上に色素(シアニン他)、反射膜(銀合金)、保護膜(アクリル)、受理層印刷(アクリル系?)と呼ばれる要素が連なっていることが判明。
この「受理層」と呼ばれる部分が今回大いに注目を集めた「ホワイトレーベル」の要素で、ジャパンディスクは「インクジェットプリンターで印刷できるよう、下地をシルク印刷したものです」とも説明している。
これらの構造を前提とし、ジャパンディスクは「今回話題となったCD-Rに起こった現象ですが、ポリカーボネートは吸水性があるため、湿気による水分が基板面や端面から侵入して反射膜を侵し、反射膜が錆びて浮き上がり、基板から色素、反射膜、保護膜、受理層印刷が剥離したものと思われます」との分析コメントを寄せてくれたのだ。
水分の侵入経路としては「基盤面」や「端面」以外に「印刷面」も考えられるそうで、「印刷時に使用されるインクジェットプリンターは水性インクですので、受理層は吸水性が良くないとインクを弾いてしまいます。受理層からの水分侵入を保護膜が防ぎますが、メーカーにより性能はまちまちであるため、複数箇所から水分が侵入するケースも起こり得ます」と補足している。
CD-Rにとって水分は大敵なことから、「長期保存を考えた場合、インクジェット対応ホワイトレーベルの商品よりも、メーカーオリジナル印刷された商品の方が、印刷面からの水分侵入については安全かもしれません」とのコメントも得られた。
その他の原因としては「粗悪品による各層の接着強度の低下」も考えられるとのこと。
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■「CD-Rだからこそ」の利点も
…と、ここまでの内容を受けて「音楽サブスク全盛期の時代に前出のハンデを考慮しながら、CD-Rで音楽を聴くことに意味があるのだろうか…?」と、首を傾げた人も少なくないはず。
しかし当然CD-Rには、人々に長年愛されてきた様々な理由があるのだ。ジャパンディスクは「当社のガラスCD-R(現在は生産休止、夏頃の販売開始を予定)など、高音質タイプのCD-Rでは元のCDよりも音が良くなることがあります」「また音楽用途の他にデータ保存があり、CD-RおよびDVD-Rでは、ディスクアットワンスと呼ばれる方法で一度書込みをしたら、上書き保存ができません。そのため、データの改ざんや誤消去の防止になります」と、具体例を説明する。
また「CD」は全世界共通の規格であり、世界中どこでも再生可能な点も大きな強み。全世界に流通した「CDプレイヤーの台数」を想像したことはあるだろうか。
「今後もCD-Rを愛用していく」という人は、ぜひCD-Rの長所だけでなく弱点をも理解し、末長く付き合ってみてほしい。
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(取材・文/Sirabee 編集部・秋山 はじめ)