安倍元首相銃撃事件でも注目 カルト宗教に勧誘された人は意外と身近に…
安倍元首相銃撃事件の引き金になったとも言われるカルト宗教の問題。勧誘を受けた経験者は…。
昨年7月に起きた安倍晋三元首相の銃撃事件以降、注目が高まっているカルト宗教問題。
自ら作った銃で安倍元首相を銃撃した山上徹也被告は、母親が旧統一協会(世界平和統一家庭連合)の信者で教団に莫大な寄付をしており、それが原因で家庭崩壊したことが凶行の引き金になったとされている。
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■河野大臣は「旧統一協会はカルトに該当」
日本では、カルト宗教についての明確な定義はないが、河野太郎消費者担当相は、旧統一協会について「カルトに該当する」と答弁。岸田文雄首相も「社会的に問題がある団体」と発言している。
フランスではカルト宗教や団体を取り締まる「反セクト法」が2001年に制定され、セクト(カルト)が法的に明記されている。
旧統一協会の他、エホバの証人、モルモン教(末日聖徒イエス・キリスト教会)などのキリスト教系新宗教や、日本の創価学会、天理教、崇教真光などかなり身近な団体もその対象に指定された。
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■3割が勧誘経験
国内にはいまだ規制がないため、他人事ではないカルト宗教の問題。実際に勧誘を受けたことがある人はどれくらい存在するのだろうか。Sirabee編集部が、全国10〜60代男女1,000名を対象に調査したところ、全体の31.2%が「カルト宗教の勧誘を受けた経験がある」と回答した。
どの宗教をカルトと感じたのかは回答者の認識によるが、それにしても少なからぬ割合。問題の身近さと深刻さが浮き彫りとなった。
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■50代では4割に
旧統一協会では、かつて大学生を対象に正体を隠して、「原理研究会」やボランティアサークルなどと称した勧誘も問題となった。一方でカルトは、難病の快癒など現世利益を餌に入信や献金を迫るため、健康などに不安が増える中高年も被害者になりやすい。
今回の調査結果で、最も経験者の割合が高かったのは50代で39.8%。経験率のため年齢が高いほど値が高くなりやすい傾向があるが、60代は2番目に低かった。また、10〜20代では18.3%にとどまっている。
なお男女別では、男性が33.7%なのに対して女性が28.8%。勧誘経験者だけを見ると、男性のほうが多いという結果となった。
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)