まもなく1年迎えるウクライナ戦争 米軍がウクライナ介入できないワケ
2月24日でロシアがウクライナに侵攻してから1年。米国は軍事支援を継続するがウクライナに米軍の姿はない。そこには2つのリスクがあり…。
ロシアがウクライナへ軍事侵攻してから2月24日で1年となる。侵攻当初は首都キーウの陥落も時間の問題だと言われ、ウクライナ軍はロシア軍の攻勢になす術がないとみられた。
しかし、米国など欧米から軍事支援を受けるウクライナ軍は世界を驚かせた、ロシア軍を次々にロシア・ウクライナ国境に追い込み、米国兵器の性能が如何に優秀かを示すことにもなった。
■軍事支援する米国
ロシア軍の劣勢が顕著になっても、米国の支援は止まらない。今年に入り、米国はMIエイブラムスという最新鋭の主力戦車をウクライナへ供与することを発表し、ドイツやイギリスなどもそれに続き、今後ウクライナに配備される主力戦車は300を超えるという。
ウクライナ当局は3月あたりに大規模な攻勢を仕掛けると発表し、プーチン大統領も3月までに東部ドンバス地方の完全制圧をロシア軍に支持したとされ、我々は再び米国兵器の性能に驚かされるかも知れない。
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■米軍が活動しない理由
バイデン政権が大量に武器を与える一方、なぜ米軍はウクライナに介入しないのか疑問に思う人もいるだろう。しかし、今日の米国は絶対にそれはできない。そこには大きく2つの理由がある。
1つは、第3次世界大戦になるリスクで、仮に米軍がウクライナに入り、ロシア軍と直接戦うことになれば、プーチン大統領が核を使用するリスクは一気に上がり、西欧が再び戦争の最前線になる恐れがある。そうなれば、もう第3次世界大戦になる可能性があり、米国にはそれはできない。
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■台湾問題で続く中国との緊張
また、対中国がある。バイデン政権の最優先事項はいかに中国の台頭を抑えるかである。よって、台湾問題で緊張が続く中、ウクライナに足を引っ張られることになれば、インド太平洋地域で米軍は中国を抑えられなくなるだろう。そうなれば日本の安全保障にも影響が及ぶ。
今の米国は世界で同時進行で戦争に関与する余裕はないのだ。
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(取材・文/セレソン 田中)