もはや「しつけ」「体罰」の言い訳も通用しない親から子への暴力 被害者の割合は…
改正児童虐待防止法の施行から3年。「体罰禁止」は法律に明記されたが…。
かつては「しつけ」という名のもとで、社会的にある程度認められていた親から子供への暴力。しかし、2020年4月に改正児童虐待防止法が施行され、体罰禁止が法的に明記された。
条文には、体罰やしつけの名目で児童虐待を行う場合、暴行罪や傷害罪その他の犯罪について「責めを免れることはできない」と記されている。しかし、「毒親」という言葉も広く使われているように、親から子供への暴力はいまだ後をたたない。
実際、どれくらいの人がこれまでに被害を経験しているのだろうか。
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■3人に1人が被害
Sirabee編集部が、全国10〜60代男女1,000名を対象に調査したところ、「親から暴力を受けた経験がある」と答えたのは、全体の34.9%。3人に1人を超える、少なからぬ割合だ。
現在では法改正が行われたとはいえ、これまでを振り返ると多くの家庭の中に暴力が深く根づいてしまっていたことがうかがえる。
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■50代男性では4割超え
男女・年代別で見ると、親からの暴力被害者の割合はバラつきも大きい。最も割合が高かったのは50代男性で44.4%。全ての世代で女性は男性を下回っているが、女性でも50代では35.2%と4割に迫っている。
現在50代となっているの親世代は戦前・戦中生まれも多く、旧憲法下における封建的・家父長制的な古い家族観が残ったまま家庭を作り、子育てを行った人も少なくないかもしれない。
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■「法は家庭に入らず」
親からの暴力被害率は、男女とも年代が下がるほど低下するのは好ましい傾向に見えるが、10〜20代においても男性の3人に1人、女性でも4人に1人が被害を受けている。
古くから「法は家庭に入らず」という言葉もあり、長らく見過ごされてきた親から子供への暴力。法改正の意図が速やかに浸透し、子供たちの被害が根絶されることを祈りたい。
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(文/Sirabee 編集部・タカハシマコト)
対象:全国10代~60代男女1,000名(有効回答数)