トルコ・シリア大地震被災者にハイヒールや汚れ物の寄付 「一番必要なのはお金」

衣類などの寄付は仕分けや保管が必要なため、費用も手間もかかってしまう。

2023/02/25 19:30


服・古着

6日、トルコ南部のシリア国境付近で大地震が発生した。世界各国から被災者のために寄付が送られているが、その5分の1が汚れていたり、被災者に送るには不適切であるなどの理由で譲渡できないという。

『Mirror』や『ARAB NEWS』などの海外メディアが、寄付の選別に多くの時間を割いているボランティアの現状を報じた。

【動画】送ることができない寄付品たち



■100万人以上が避難生活

トルコ南部で6日に発生したマグニチュード7.8の地震によって、20日までにトルコ・シリア合わせて、4万6,000人以上の死亡が確認された。また、トルコ国内では100万人以上が仮設テントなどでの避難生活を余儀なくされており、物資や金銭面の援助が必要不可欠となっている。

ロンドンに拠点を置くトルコ系コミュニティ協会のエリム・メット会長によると、地震発生直後から今までにない量の寄付が届いており、大変心強く感じているという。


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■10センチのハイヒール

一方で、送られてくる寄付品の20パーセントは、被災地に送ることができない。TikTokで公開された複数の動画では、部屋の中に寄付品が入った大量の段ボールが積み込まれており、それをボランティアの人が24時間体制で仕分ける様子が映し出されていた。

寄付品のなかには、10センチのハイヒールやスパンコールのついたタンクトップ、破れたズボンや汚れたシーツなど、被災地で寒さに耐え忍ぶ人々に送るには適さないものもあるようだ。


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■寄付は「お金」が一番

メット会長は、衣類などは仕分けが必要なうえに運搬も必要であることから、寄付には「お金」が一番好ましいと話す。特に小規模な組織であれば、設備が整っておらず、被災地への輸送途中で援助物資を廃棄せざるを得ないケースもあるという。

また、被災地に寄付品が届けられた場合であっても、大量の衣類などは保管の場所に困ってしまうようだ。


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■匿名で大金の寄付も

被災者に送ることができないさまざまな寄付品を目にした人々は、「寄付は、いらなくなったものやゴミを捨てるところではない」「こんな汚れたものを送る人がいるなんて信じられない」「被災者に対して失礼すぎる」などとコメントを寄せ、憤りを見せた。

先週には、アメリカに住むビジネスマンがトルコ大使館に3,000万ドル(約40億2,000万円)を匿名で寄付したとして話題になった。被災地で何よりも求められているのは、使用用途の制限がない「お金の寄付」であることは間違いないだろう。

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■送ることができない寄付品たち
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