『ホグワーツ・レガシー』レビュー、狂気レベルの作り込み 圧倒的な没入感で最高傑作
『ホグワーツ・レガシー』プレイレビュー。圧倒的な没入感で散歩してるだけでも楽しい傑作。
2023年2月10日に発売開始した『ホグワーツ・レガシー』。同作をクリアした記者が、メインストーリーのネタバレなしでレビューしていくぞ。
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■シリーズの過去を描いた作品
『ホグワーツ・レガシー』は、現在PlayStation5、Xbox Series X/Sのほか、PC版が発売されており、今後Xbox One、PlayStation4、Nintendo Switchでも発売が決定している。
同作は『ハリー・ポッター』シリーズの世界観で原作よりも前の1800年代を描いた作品。5年生からホグワーツ魔法魔術学校に入学した主人公が強力な古代魔術と出会い、古代魔術を悪用しようとするゴブリンのランロクの野望を阻止するべく奔走するストーリーとなっている。
原作でも登場していたシリウス・ブラックの高祖父やウィーズリー家の先祖といったキャラクターも数多く登場しており、シリーズファンならたまらない一作となっているぞ。
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■オープンワールド で圧倒的な没入感
記者が『ホグワーツ・レガシー』を遊び始めて一番最初に感じたことは「衝撃」。というのも、これまでに『ハリー・ポッター』シリーズをゲーム化した作品をいくつかプレイしたことがあるのだが、個人的にはイマイチ楽しみきれなかったのだが、『ホグワーツ・レガシー』はオープンワールド を採用していることもあり、没入感が圧倒的。
ホグワーツ魔法魔術学校のだけでなく周辺の村や洞窟といった建物らや、魔法動物の作り込みが狂気的なほど。ワールドを少し移動しているだけで、「あ、この場所映画のあのシーンのところだ!」となるため、散歩するだけでもめちゃくちゃ楽しい。
また、村人や学生の作り込みも凄まじく、ひとりひとりがまるで生きているかのように動くため、ストーカーしているだけでも楽しい。記者は、村人らの会話を盗み聞きするのが楽し過ぎて2時間以上村人のストーカーをしていたほどだ。
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■見事な切り捨てが満足感の増加に
記者が『ホグワーツ・レガシー』をプレイしていて感じたのは、「マイナスになりうる要素の切り捨て」だ。
というのも、今作では同世界観で人気の魔法界のスポーツ「クイディッチ」が完全に廃止されている。正直なところ、クイディッチはルールが曖昧なところがあり、過去作でもクイディッチを遊ぶことができたのだが、ゲームとしてやってみるとイマイチ…となってしまうケースが多い。しかし、今作ではストーリー最序盤で校長から「今年はクイディッチのシーズンを中止とする」と明言される。さらに、これをホウキ飛行訓練の担当教諭が愚痴を言う…といった形でひとつのストーリーに昇華しているとこも見事と言えるだろう。
また、『ホグワーツ・レガシー』で登場する名前の付いた魔法の種類は28個。ちょっと少ないのでは? とも感じるし、原作でも人気の魔法「エクスペクトパトローナム」も登場しない。しかしプレイしてみるとわかるのだが、実際戦闘中にそこまで手が回らず、個々人でお気に入りの魔法の組み合わせを使うとなると25〜30個の間くらいがちょうど良いと感じた。
ただ、敵NPCが使用している「エクスパルソ」や「レダクト」といった呪文は使ってみたかった…というのが正直なところでもあるが、下手に展開が間延びしてしまうのもイマイチなため、ちょうど良い塩梅だったのかもしれない。
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■ハードな難易度も後半パターン化
『ホグワーツ・レガシー』のメインとなる戦闘面は、想像以上に難易度がハード。基本的に5人以上を同時に相手にすることとなり、立ち回りと魔法のリキャスト回しがキモとなってくる。それなりにARPG慣れしていない人だと、少し難しく感じるかもしれないが、その場合は難易度を下げて対応してみるといいだろう。
敵NPCの種類はそこまで多くないこともあり、ある程度ストーリーを進めてしまうと戦闘がパターン化してしまうことも。せっかくなら敵にも様々な呪文を使わせて、ガッツリ高難易度化してしまっても良かったのかなと感じた。
ただ、ボス戦ではこれまでの戦闘で使ってきた要素が盛り沢山となっていたりと、これまでの戦闘経験が生きる仕様になっていたのは自分の成長が感じられてかなり嬉しかった。
バグ等もそこそこ発見されている同作だが、散歩して楽しいストーリー進めて楽しいと個人的に文句なしの出来栄えとなっており、寄り道しつつ34時間程度でストーリークリア。ただ、全要素をコンプリートしたい場合は100時間程度かかると思われるため、やり込み勢にも嬉しい内容となっている。圧倒的な没入感を求めている人や、『ハリー・ポッター』シリーズのファンにはぜひとも遊んでもらいたい作品だ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・北田力也)