「撮り鉄」「乗り鉄」では真逆の印象? 2人に1人がネガティブに思うのは…

【鉄道トレンド調査隊】同じ鉄道ファンであっても4割が「迷惑な存在」と回答。一体どうして彼らは好かれないのか…。

2023/03/05 05:15


鉄道ファン・撮り鉄・鉄道オタク

我々「鉄道ファン」はどんなイメージを持たれているのか。近づき難い? 楽しそう? 話が通じない? 知識豊富? 今回は鉄道ファンのイメージをテーマに、男女1,000人に調査を行った。

鉄道ファンと一口にいってもさまざまなジャンルがある。よく知られているのが、鉄道の写真撮影を楽しむ「撮り鉄」と、鉄道に乗ることを楽しむ「乗り鉄」だ。今回はこの2大巨頭についての印象を聞く。驚くべきことに、大きく結果が分かれることになった。



■「撮り鉄」「乗り鉄」では真逆の印象

まずは、撮り鉄についての印象はどうか。「憧れる」0.7%、「楽しそうで好印象」33.0%、「迷惑な存在」41.8%、「攻撃的で怖い」12.0%、「その他」12.5%という結果。残念なことに約2人に1人の53.8%がネガティブな印象(迷惑な存在、攻撃的で怖い)を抱いていることがわかった。

一方で乗り鉄の印象は、「憧れる」1.6%、「楽しそうで好印象」73.1%、「迷惑な存在」7.7%、「攻撃的で怖い」2.8%、「その他」14.8%という結果に。74.7%がポジティブな印象(憧れる・楽しそうで好印象)を持っていることがわかった。


関連記事:キャンドゥの鉄オタ育成アイテムがガチすぎる 親子そろって「沼落ち」したワケは…

■「撮り鉄」に世間はドン引き?

一体、なぜ「撮り鉄」はネガティブな印象を持たれてしまうのか。筆者の周りにコメントを求めた。「必死さが怖い。近づくと怒られそう」(20代女性)という、趣味とは思えない真剣さに恐怖を感じてしまう人や、「ニュースを見て怖いと思った」(60代女性)という人も。

たしかに、ここ数年で撮り鉄の迷惑に対するニュースは増えている。線路内や私有地、立ち入り禁止場所に入っての撮影や、駅員や乗客へ罵倒する映像は、テレビやネットでときどき目にする。2022年には、鳥取県米子市の私有地の柿の木が勝手に伐採されたというニュースも。犯人は見つかっていないものの、特急やくもが撮れる撮影スポットだけに、撮り鉄による犯行が疑われている。

「鉄道は多くの人にとってはどうでもいいものであると、理解しない人が多いのではないか。撮影の邪魔だと怒る人もいるが、自分にとってはただの交通機関。こちらが気を使う理由はまったくないし、誰から許可を得て『どけ!』と言っているのか、理解し難い」(40代男性)

こうした迷惑行為を見聞きするたびに、鉄道ファンの印象が悪くなってしまう。同じ鉄道ファンであっても「迷惑な存在」とする人が4割もいた。「撮り鉄のせいで鉄オタ全体のイメージダウンになっていて、迷惑」(30代女性)という人もいるほどだ。

もちろん、すべての撮り鉄が悪人というわけではない。グッドマナーの撮り鉄も多い。というか、ほとんどがマナーを守っている。一部の過激化したファンの暴走が悪目立ちし、撮り鉄全体が嫌われるのは、非常に残念な事態である。


関連記事:不倫が報じられた芸能人への印象は? 2割は「二度と見たくない」

■7割「乗り鉄」に良い印象…一方で物議も

一方で、乗り鉄の印象はいいようで、74.7%がポジティブな印象を持っている。「楽しそうで好印象」と答えたのは、男性(69.2%)よりも女性(76.4%)のほうが多かった。旅好きの女性は多く、縦横無尽に鉄道で旅する姿を微笑ましく思っていると推測できる。

筆者の周りにコメントを求めた。「出張に行く時、同僚の乗り鉄社員がお得なきっぷを教えてくれて、とてもありがたい」(30代男性)、「一緒に旅行したら有益な情報で楽しませてくれそう」(20代女性)という声が。

しかし、なかには「景観のいいローカル線に乗ったとき、乗り鉄の人たちがダッシュで席を確保して、座れなかった。みんな必死すぎて正直怖かった」(40代女性)という声も。撮り鉄だけでなく、乗り鉄が暴走することもあるので注意したい。

2021年2月、地震の影響で東北新幹線が一部運休。JR東日本は代替手段として、人気車両185系を臨時便として運行させた。しかしながら物珍しさに鉄道ファンが殺到。「新幹線に乗れない人のための電車なのに、乗り鉄がいっぱい」とネットで物議をかもした。

イメージのいい乗り鉄であっても、一線を超えた非常識な行為をしないように注意するべきだ。


関連記事:聞き慣れない言葉に安心感も… 約6割の人が「好印象を持つ話し方」とは

■芸能人がきっかけでイメージ上昇か

最後に、鉄道ファン全体についての印象を聞いてみた。

鉄道ファンのイメージ調査

「ポジティブな印象」が52.6%、「ネガティブな印象」が47.4%。ほぼ真っ二つだが、ややポジティブな印象が勝っている。男女別に見てみると「ポジティブな印象」を持つのは、男性(46.9%)よりも、女性(57.6%)のほうが多い。

「自分の世界を持って、趣味に打ち込んでいる人は素敵だ」という人も少なくなく、「鉄道ファンはモテない」は今や昔。『タモリ倶楽部』(テレビ朝日系)や『笑神様は突然に…』(日本テレビ系)など、鉄道好きの芸能人が楽しそうにはしゃぐ姿がテレビでもたびたび放映されている。そんな姿に好感を持つ人が増えているのではないだろうか。

3月はダイヤ改正がある。なくなる列車・生まれる列車をめがけて、鉄道ファンが活発になる時期だ。一般の人に迷惑をかけないよう、マナーを守ってオタ活を楽しんでいこう。

次ページ
■執筆者プロフィール
マナー芸能人タモリ倶楽部撮り鉄笑神様は突然に…東香名子鉄道トレンド調査隊
シェア ツイート 送る アプリで読む

編集部おすすめ


人気記事ランキング