震災で奮闘の災害救助犬に感謝 トルコ航空がファーストクラスにアップグレード
トルコの大地震を受け、各国から派遣された災害救助犬たち。トルコ航空は「努力への感謝の気持ち」とし、彼らにファーストクラスの席を提供した。
災害救助犬は、地震や土砂崩れなどの災害が発生したとき、行方不明になっている人、がれきの下にいる人を優れた嗅覚で見つけ出す。訓練では雪山や水中、危険な隙間に入ることすらあり、非常に厳しく難しい仕事だという。
そんな災害救助犬にまつわる心温まる話題を、イギリスの『Daily Mail』や『Mirror』が報じている。
■死者数は5万人に
2月6日、トルコとシリアでマグニチュード7.8の大規模な地震が発生した。トルコでは4万5,000人以上が亡くなり、シリア両国合わせての死者数は5万人を超えるとされている。
この災害を受け、アメリカやイギリスをはじめ、クロアチア、チェコ、ドイツ、ギリシャ、スイス、タイや中国など多くの国が、トルコに災害救助犬を派遣。連日、倒壊した建物のがれきの中から生存者を発見し、多くの人々を救ってきた。
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■救助犬たちをアップグレード
なかでも地震が頻繁に起こるメキシコでは、国内にそのために訓練された民間や軍の特殊部隊が存在するとのこと。地震発生の翌日、16匹の災害救助犬の派遣を発表していた。
約1ヶ月にもわたった捜索・救助活動を終え、先日帰国の途についた犬たち。トルコ航空側の計らいで、災害救助犬とハンドラーたちはファーストクラスおよびビジネスクラスにアップグレードされたという。
■「せめてもの感謝の気持ち」
盲導犬やセラピー犬を除く犬たちは、一般的には専用のケージに入れられ、預け入れ荷物として飛行機下部のカーゴに送られる。
だがトルコ航空の広報担当者は「多くの市民を救ってくれた犬とハンドラーたちはヒーロー」と称賛。帰国時に広々とくつろいでもらえるようにと、アップグレードの提供を行った。
「困難や危険を伴う連日の活動に対する、せめてもの感謝の気持ちです」と声明を発表している。
■他にも航空会社の計らいが
トルコ航空はまた、国外へ避難する人々のために無料でフライトを提供。30万人近い乗客が、1,646便においてそのサービスを利用した。その際にペットとともに避難できるようにと、どの空港にも大量のキャリーケースを寄付したそうだ。
トルコ航空のこうした計らいは、国民だけでなく世界中の人々を感動させ、ファンが急増中。SNSには「こういうエアラインを利用したい」という声が殺到している。
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(文/Sirabee 編集部・桜田 ルイ)