ネット上に現れるなんとも「怪しい商品」 どうしても気になる方向けに“安くゲットする方法”がある
【鈴木貴博『得する経済学』】ネット上には怪しい商品がたくさん売っていますね。まるで誘蛾灯に誘われるようについついそういう商品に興味を持ってしまう私がいます。どうしたらいいでしょう?
「これ凄く怪しいけどなんか凄く欲しい」
わたしはネット見ていて非常にしばしばこんな気持ちになるタイプの人間です。
特に弱いタイプの商品が「台所にあるアレだけで」とか「アマゾンのジャングルでしかとれない健康成分〇〇のおかげで」みたいな商品で、これを買うと歯が真っ白になるとか、体の内部から若返るみたいなアンビリーバボーな効果をうたった商品が大好きです。
それでそういった広告のページを見かけると入念にネットでファクトチェックをするんです。するとだいたい「〇〇 効かない」とか「〇〇 詐欺」みたいなページにたどり着いたりするのですが、わたしの場合、それでもあきらめきれないんですよね。あくまで匿名の他人の意見ですから。
■キレイな歯に見せる商品
先日も「歯にくっつける歯」を見つけました。わたしの歯は子どものころに歯医者に行くのが嫌いだったせいで手遅れになってしまったようで、20代の虫歯治療で十数か所も深く削られてボロボロで、結果として歯並びも最悪。そのうえ歯のクリーニングも嫌いでかつコーヒーが大好きなせいで色もかなり茶色がかっています。
もう魔法の歯磨きぐらいでは白くならないのはとっくに覚悟しているのですが、この偽物の歯はなんかよさそうです。お湯で柔らかくしたシリコン素材でできた、真っ白で歯並びのいい作り物の前歯を本物の前歯に接着するだけです。これはまさに「歯のかつら」、素晴らしい歯並びになりそうです。
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■レビューは最悪…ではどうするか?
こういうときは私は必ずアマゾンのレビューをチェックします。そうするとたくさんのレビューがあるうえにほとんどのレビューが星1つ。
「最悪です」「そもそも歯にくっつかない。どういう設計?」「出っ歯のコスプレにしか使えません」「届いて5分でゴミ箱行き」…商品に満足している人はひとりもいなさそうですね。
それでもわたしは買ってしまうんです。「万が一、わたしにだけはフィットしたらどうしよう?」と思ってしまうからです。
それともうひとつ理由があります。経済の知識があるとこういった商品は安く試すことができるのです。その方法をふたつ紹介しましょう。
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■失敗しても次なるチャレンジ
まず最初の方法です。こういった商品は何人か“カモ”が購入して後はレビューが荒れて売れ残ってしまうようです。ですからアマゾンをちゃんと探すと他では数千円で売っている商品を数百円といった具合で飛びぬけて安く投げ売りしてくれる業者が存在します。
ここがねらい目です。何人かが試した後の安売りが始まるまで待ってそこから激安で買って試してみるのです。…ちなみにこの商品、試してみたらきれいな出っ歯になりました。失敗です。
さて数百円で試せる商品ならいいのですが、本当に魅力的な効果をうたう化粧品などは調べてもそれほど安くはならないものです。価格も9,800円とか8,800円みたいに、一万円に近い値段になっていることが多いですね。しかも公式サイトでしか売っていない。こういったときはどうしたらいいと思いますか? そこでふたつめの方法をお試しください。
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■メルカリには同志がたくさんいる!
わたしはこんなとき、欲しい商品の商品名を打ち込んでメルカリで検索して購入するようにしています。
世の中にはわたしと同じようにこういった商品に興味を持って、購入して試した人がたくさん存在するんです。それで一万円近くかけて入手したにもかかわらずがっかりした場合、あきらめきれず捨てることもできない。そのためメルカリを利用し3,000円ぐらいで売っているケースが結構あるのです。
先日も「ある特別な成分を抽出することでほうれい線が魔法のように消える」とうたった化粧品の使いかけをメルカリでゲットしました。これは安く手に入りました。
それでその商品どうだったかというと、ほうれい線はまったく消えませんでした。結局のところネットの口コミ情報はかなりの精度で正しいようです。でもわかっちゃいるけど好きなんですよね。こういういかがわしい商品が。
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■著者プロフィール
Sirabeeでは、戦略コンサルタントの鈴木貴博(すずきたかひろ)さんの連載コラム【得する経済学】を公開しています。街角で見かけるお得な商品が「なぜお得なのか?」を毎回経済理論で解説する連載です。
今週は、「どうしても気になってしまう怪しい商品をそれほどダメージを受けずに試す方法」についての解説でした。
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(文/鈴木貴博)