フランスの本音があらわに 「米中の喧嘩はスルー、台湾問題に興味なし」
フランスのマクロン大統領が本音を暴露。「米中対立ではどちらの側にも付くべきではない」などと発言し…。
米中対立が激しくなる中、4月上旬、中国を訪問したフランスのマクロン大統領は連日習近平国家主席からVIP待遇を受け、6日に北京で会談した後、7日には南部広東省で会談と夕食会を行った。
■VIP待遇を受けたマクロン
習氏が海外の要人と地方を訪問し、連日おもてなしを行うのは極めて異例で、中国がフランスを重視していることが浮き彫りとなった。両者は複数の会談で、両国間の関係を一層強化し、毎年中仏会談を行うことで合意した。
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■満足して帰国後に本音がポロリ
嬉しくなって帰国したマクロン大統領はメディアの取材に応じた際、「米中対立ではどちらの側にも付くべきではない 台湾問題の混乱に巻き込まれるべきではない」と発言した。
この発言に中国と対立する米国をはじめ、多くの欧米諸国が耳を疑った。「え? 中国が覇権主義を貫き、ロシアがウクライナに侵攻し、今こそ欧米が結束を強化しなければならないのに、どうしたマクロン?」と。
米国は、「おいマクロン、このタイミング何言ってんだ! フランスが台湾問題で協力しないなら、俺たちも欧州が直面するウクライナ問題で協力しないよ」と不満を募らせ、東欧諸国も「ロシアの脅威に直面するのは我々だ。フランスは西欧だからロシアとは距離があり、脅威を実感していないからそんな軽々しい発言をするんだ」と怒っている。
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■ニコニコしている習氏
今頃、習氏はニコニコ笑っている。VIP待遇が成功して、欧米諸国の間でマクロン発言で動揺が走っているからだ。
中国は欧米がグルになって立ち向かってくることを嫌がるので、たとえば米国と欧州との間にくさびを打ち込み、欧米グループを弱体化させていきたい。今度また欧米の指導者が中国を訪問したときは、VIP待遇戦略をまた実行することだろう。
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(取材・文/セレソン 田中)