長与千種遺伝子対決を制したAAAW新王者の桃野美桜 「ちょっとやそっとのことじゃ折れない心に」
長与千種が代表を務めるマーベラス7周年大会。AAAWシングルでは桃野美桜が永島千佳世を破り初の栄冠を手にした。
かつてライオネス飛鳥とのクラッシュギャルズで一世を風靡したレジェンド女子プロレスラー・長与千種が代表を務めるプロレス団体マーベラスが、『マーベラス7周年大会』5.3東京・後楽園ホール大会を開催。
当日は、当日券が伸びに伸びて満員の観客が詰めかけた。「今日は懐石料理の幕の内弁当だよ」大会終了後、千種はそう語り胸を張っていたが、カラーの違う試合がズラリと並びどれも好勝負だった。
■永島千佳世に桃野美桜が挑戦
そんな記念すべき大会のメインイベントでは、AAAWシングル選手権試合、チャンピオンの永島千佳世(フリー)に桃野美桜が挑戦した。
AAAWのタイトルは1995年4月に千種が創設したGAEA JAPANの最高峰タイトルで、GAEA解散とともに封印(最後の王者はアジャコング)されていた。
2年前に一夜復活した『GAEA ism』でマーベラスと、GAEA1期生の里村明衣子が代表を務めるセンダイガールズ(仙女)の全面対抗戦で、マーベラスのエース彩羽匠を怪我で欠き、暫定エースとなった桃野美桜を破った仙女のエース橋本千紘が対抗戦に懸けられたAAAWの全権を獲得したことにより、第14代王者としてタイトルが復活。
その後、彩羽が復帰すると昨年の1月にタイトルと全権を奪取。以降、シングルとタッグの王座はマーベラスが管轄することになった。
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■長与千種の遺伝子を継ぐ
このまま彩羽がシングル王座の防衛ロードを突き進むのかと思われた矢先、昨年11月に彩羽が再び長期欠場することになり、王座を返上。
同年12月の後楽園大会で行われた王座決定1DAYトーナメントで決勝に進出した永島が桃野を破り、GAEA時代の2002年以来2度目の王者返り咲きを果たしている。
前回戴冠時は初防衛戦で豊田真奈美に敗れた永島だが、今回はクイーン・アミナタ、渡辺智子を相手に防衛を重ねて来た。3度防衛すれば同王座最多防衛記録でアジャと並ぶ。
そこに現れたのが、2度のチャンスを掴めなかった桃野だ。永島はGAEAの1期生、桃野はマーベラスの1期生とともに千種の遺伝子を持っており、ひと1番「負けず嫌い」なところも師匠譲りだ。スピーディーなファイトスタイルも似ている。
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■悲願のシングル初戴冠
千種は「(練習で)永島がこれだけ走ったと言ったら桃野はそれ以上走る。永島も負けじともっとやる。この2人は恐ろしい」と自らが育てた弟子同士の成長に目を細めていたが、試合でも負けん気の強さが十分に発揮されていた。
前哨戦で永島は腕固めで桃野からギブアップを奪っており、桃野の右肩にはピンクのテーピングが貼られていた。しかし、そのダメージを感じさせない動きで永島と一進一退の攻防を繰り広げる。
後楽園の南側通路にある出入り口の上に登った桃野は永島に捨て身のプランチャを放つ。この一発からも桃野のこの試合に懸ける覚悟が感じられる。
それでもゾンビのように立ち上がる永島。お互いの必殺技が決まらない中、最後は桃野がジャーマンスープレックスから、JKボムを決めてカウント3。悲願のシングル初戴冠となった。