長与千種遺伝子対決を制したAAAW新王者の桃野美桜 「ちょっとやそっとのことじゃ折れない心に」

長与千種が代表を務めるマーベラス7周年大会。AAAWシングルでは桃野美桜が永島千佳世を破り初の栄冠を手にした。

2023/05/09 06:00



■デビュー7年で栄冠

試合後、永島が一本指を立てると2人は抱擁。

桃野は永島が去ったあと大きなベルトを持ちながら、「永島さんが、最後にやった(一本指は)多分もう一回って意味じゃなくて、1期生って意味だったんだと思います。私にはそう感じました。永島選手は、長与さんが作った、GAEA JAPANの一期生、そして、桃野美桜は、その後に長与さんが作った、マーベラスの一期生。このベルトは、元々GAEA JAPANのもので、時を経てマーベラスで復活して、永島選手から、この桃野美桜が獲るということで、このベルトの歴史が、やっと動きだしたと思ってます」と語る。

「でも、ちょっと、大きくて、もしかしたら、ちょっと、かっこ悪いかもしれないです。でも、必死につかんだこのベルト、きょうだけは、うぬぼれたいと思います。でもきっと、明日から、このベルトを巻いたという現実の重さとの戦いになってくるんだと思います。でもその覚悟を持って、今日このリングに立ったので、本日より、桃野美桜、シングルのチャンピオンとして、しっかりマーベラスの顔として! 進んでいきたいと思います」と笑顔で話すと、リングサイドの千種は涙。

怪我に悩まされ、後輩や同期が辞めていく中、桃野は持ち前の根性と笑顔で耐えて来た。デビュー7周年のご褒美としてAAAWシングル王座のベルトは桃野を選んだのだ。


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■チャンピオンの風格も

会見では、「AAAWのベルト、そしてシングルのベルト、8年目で初めて巻きました! この7年間、私は本当に、これ何回もいつもどんな話をするときにも出てきてしまうんですけど、7年の半分は怪我で欠場していて、本当に諦めたくなるときもあったし、なんなら諦めました。諦めかけました。でも、最終的には諦めなかったから、そしてマーベラスという帰ってこられる場所があったから。待っててくださる皆さんがいたから頑張ってこれたし、そして、それも自分の成長につながって、ちょっとやそっとのことじゃ折れない心になりました」と桃野。

「その小さな積み重ねでつかんだベルトだと思っています。歴代の方々を見ると、すごい偉大な先輩方で、そこに私はチャンピオンという形では並べたかもしれないけど、まだまだカッコ悪いです。カッコ悪いチャンピオンもいるかもしれないけど、『歴史を超えるということはない』と長与さんに言われました。『歴史は横並びだ』と常々言われています。しっかり、その歴史に並んでいけるように頑張ります」と語った桃野からはチャンピオンの風格が伝わってきた。


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■未来の「黄金カード」へ

そんな桃野を千種だけじゃなく、彩羽も笑顔で見ていたが、この日はAAAWのベルトを巻いたことがあるOZアカデミーの尾崎魔弓が乱入。彩羽を流血させた。

この事態に千種は、「彩羽と桃野で行ってください」と団体のツートップをOZに乗り込ませると発言。

桃野も尾崎とは試合をしたかったようで、楽しみにしている様子だが、「匠さんの口から直接『ライバル』って言葉を聞いたことはないので。自分の目標としては、匠さんと、いろんな団体で橋本千紘選手と試合をしてきて評価されることはあっても、自分の団体で評価されることって中々なかったので、『やっぱ女子プロレスの黄金カードと言えば桃野美桜 vs 彩羽匠だよね』って言われるようになっていきたい」とその先も見据えている。

OZとの対抗戦を経て桃野が彩羽を破った時、また新たな景色が見えるはずだ。


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■著者プロフィール

どら増田

どら増田:1973年神奈川県横浜市出身。幼い頃に初代タイガーマスクに衝撃を受けてからプロレスや格闘技を見続けている。同じく幼い頃から見ていたプロ野球は紆余曲折を経て2010年からオリックス・バファローズを応援。

音楽やエンタメ、グルメなどのイベントプロデュースの仕事をしていたが、2014年からスポーツライターの道へ。

横浜在住にもかかわらず京セラドーム大阪を中心にオリックスを現場取材する傍ら、新日本プロレスやスターダム、RIZINなどプロレス・格闘技の現場取材をしつつ多媒体で執筆している。

2018年にはスカイAで放送されたオリックス山本由伸と当時はキックボクサーだった那須川天心の神童対談実現に尽力した。ペンネームの由来はレジェンドレスラー藤波辰爾のドラゴンから来ており、取材を通じて藤波本人から公認を貰っている。

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(取材・文/Sirabee 編集部・どら増田

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