中堅芸人の賞レース『THE SECOND』が成功した理由 一般審査員制を考察する
多様な笑いの披露とその審査に成功した『THE SECOND』。一般審査員制を徹底的に考察。
20日に『THE SECOND〜漫才トーナメント〜』(フジテレビ系)が行われ、ギャロップが優勝。今回の新しいお笑い賞レースを様々な角度から考察する。
■『M-1』対抗への野心溢れる大会
『THE SECOND』は結成16年以上の漫才師が競い合う、フジテレビによる新しいお笑い賞レース。本大会は、『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)をはじめとする各種お笑い賞レースに対抗する意欲が強く見られる大会と言えるだろう。
1つはトーナメントという目新しい形式であり、最たる特徴は客席の一般審査員を採用したこと。
お笑い賞レースにおける審査員は最大のポイントであり、審査の妥当性の面でも、番組の盛り上げの意味でも重要だ。特に一般審査員は権威性もなく、なかなか難しいが同番組はこれを成功させた。
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■精巧な審査形式
「THE SECOND」では、お笑いマニアを一般客として集めているとされ、1点から3点の間で採点する形式がとられた。
面白くない場合を1点とし、かつ絶対評価であるとアナウンスされているので、2点と3点を巡ってなかなか点差がつきにくい形式と言える。さらに審査後には、一般審査員の何人かはコメントをしなければならない。
これらの仕掛けによって、一般審査員は審査に対して非常に責任が求められる。この審査形式は、どうしても滲み出る好みを炙り出す仕掛けだと言えるだろう。
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■大会の仕組みの大きな利点
今回の一般審査委員形式によって得られる重要なメリットは、客の笑いに左右されにくい点もあるはずだ。芸人による審査といえども、客の反応を蔑ろにするわけにはいかない。
その点、確信を持った感覚の差が反映されるからか、一般審査員の判断が事前にわかるものではなかった。
「大きな笑いが最も面白い笑い」と決まっているわけではない。そもそも観客を選んでいることが、客層による審査への影響の問題を取り除く結果となった可能性もある。またトーナメント制が、ネタ順の不利をなくしている点もとても重要だ。