徐々に近づく台湾有事 在台邦人や進出する日本企業は退避を急げ
台湾有事と日本国内でも叫ばれるがその時間は刻々と迫っている。最近の米中を巡る状況はそれを如実に示している。時間はそれほどない。
最近の米中関係を見ると、米国の焦りが如実に見える。
■最近の米中関係
今月初めにシンガポールで開催されたアジア安全保障会議の際、米国のオースティン国防長官は中国の国防トップとの直接会談を打診した。偶発的衝突によって米中が戦争状態に入るのを回避するためだ。
しかし、中国はそれを拒否した。また、南シナ海や台湾海峡では中国軍が米軍に異常接近する事態が相次いで発生し、中国側の攻撃性が増大していると米国は懸念を示した。
このような事態に、米国のブリンケン国務長官が近いうちに中国を訪問し、習近平国家主席など重要幹部たちと会談することが明らかになった。これも中国との直接的衝突を避けたい米国の本音の表れであり、最近の一連の出来事からは、米中情勢は中国有利な形で進行している。
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■徐々に近づく台湾有事
近年、台湾情勢で怖いのが、すでに“起こるか起こらないか”の議論ではなく、“いつ起こるか”の議論しかないことだ。
元米軍幹部や大物政治家からも、“有事は2026年あたりだ”、“習政権3期目が終わりまでには”などの発言が相次いでいる。そして、習国家主席は台湾への武力行使も辞さない構えを貫いており、中国は米国に対して有利か政治、軍事環境を作り、また欧米から制裁をくらっても被害を最小化するようロシアやイラン、グローバルサウスとの関係を強化している。
この状況は鮮明になればなるほど、台湾有事の可能性が高まるだけでなく、その時期は早まるだろう。最近、台湾から永住権を求めて米国や欧州などに移民として渡そうとする台湾人が増えているという。在台邦人や進出する日本企業は退避を急いだほうがいい。
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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)