米中外相が北京で会談し対話継続で一致 今後米中関係は良くなるか?
ブリンケン国務長官と秦剛外相が18日に北京で会談。対話の継続によって緊張緩和があり得るのか? しかし、その可能性はゼロの近い。
米国のブリンケン国務長官と中国の秦剛(チンカン)外相が18日北京で会談し、緊張状態の中でも米中双方が対話を継続していく意思を共有し、今後秦剛外相が米国を今後訪問することで一致した。
■対話継続も台湾問題では何も進展なし
米中が争うトピックは増える一方で、今回の会談も夕食を含め7時間半にわたったという。
一方、秦剛外相は、台湾は中国の核心的利益の中の核心だとの発言を繰り返し、米中間で最も熱い問題となっている台湾問題では全く進展がなかった。仮に、台湾が統一されたら、台湾の軍事拠点化が急ピッチで進み、人民解放軍が西太平洋へ進出してくるため、太平洋で優位性を維持する米国としては台湾問題で絶対に妥協できない。
今後もこの問題では平行線を辿り続ける。
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■関係の改善・発展にはならない
対話継続が積み重ねられると、いつの日か米中関係が改善へと向かい関係が発展すると思うかもしれないが、その可能性はゼロに近い。
近年も何回も対話は行われてきたが、現在の対話の目的は関係を改善させるものではなく、日に日に高まる緊張を如何に抑えていくかというものだ。米中会談が行われても、そこには全く笑顔はないように、現状維持国米国は現状打破国中国を常に警戒し、中国は現状打破を遮ろうとする米国に強い不信感を抱いており、その間に“関係を良くしたい”、“仲良くしたい”というユートピアは存在しない。
我々日本人は、米中の会談で絶対に楽観視してはならないのだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)