『世界遺産』初の撮影 アイスランド「ヴァトナヨークトル国立公園」2週にわたり紹介
『世界遺産』では、7月9日・16日の2週にわたり、アイスランドの世界遺産「ヴァトナヨークトル国立公園」を紹介する。
今春から放送28年目に入った、毎週日曜午後6時から放送されている『世界遺産』(TBS系)。今回は、はじめての撮影となる世界遺産、アイスランドの「ヴァトナヨークトル国立公園」を7月9日・16日の2週にわたって紹介する。
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■炎と氷が生んだ大自然の絶景
「ヴァトナヨークトル国立公園」は、イギリスとグリーンランドの間にある島国、アイスランドの南東部にある自然遺産。国土の約14%、面積1,4000㎢を誇る国立公園だ。2019年に開催された世界遺産委員会で「火山と氷河が生んだ変化し続ける景観」として、アイスランドの3件目の世界遺産として登録された比較的新しい世界遺産となっている。
担当の江夏治樹ディレクターや『世界遺産』のベテランスタッフも「見たことがない!」と驚いた絶景ばかり。噴火を繰り返す火山群の上にヨーロッパ最大級の氷河が広がる、世界でも珍しい大自然の魅力を余すところなく紹介する。
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■火山の上にあるヨーロッパ最大級の氷河
ヴァトナヨークトル国立公園の大部分を占めるヴァトナ氷河。その大きさは東京・神奈川・埼玉がすっぽり収まるほどの広さで、高地全体を分厚い氷が覆っている。
そして最大の特徴は氷河だけでなく、厚さ最大900mもある氷の下にいくつもの活火山が存在していること。そのスケールは桁外れで、空からでなければ火山と氷河を1度に捉えることはできない。
同番組ではそのダイナミックな景観を映像に収めるためヘリでの空撮に力を入れ、イギリスのロンドンからヘリ空撮専用の防振装置と専門のオペレーターを呼び寄せて撮影を敢行。
アイスランドは天候が不安定な日が多いため空撮のタイミングがとても難しいが、今回は限られた時間の中で活火山の中でも頻繁に噴火するグリムスヴォトン火山をカメラに収めることに成功した。
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■溶岩大地が生み出す絶壁の渓谷美
火山は直径12kmにもなる巨大なカルデラ(くぼ地)の一部が氷河の上に顔を出しており、火山ガスが噴き出す様子を見ることができる。
さらに、カルデラ内には蒸気をあげる湖もあり、地熱で氷河が解けて生まれたものだが、見えているのはごく一部。分厚い氷の下には巨大な湖が隠れており、噴火が起こると氷河の下の湖が増水して決壊し大洪水が発生する。そして、火山と氷河が引き起こす大洪水は広大な水浸しの平地を生む。
同番組では、氷河から解け出す水の流れが作り出す壮大な景色の撮影にも成功した。ヴァトナ氷河から解け出した水によって生まれたヨーロッパ最大級の水量を誇る「デティフォスの滝」、その滝から流れ落ちる水は毎秒700トン。氷河から解け出した大量の水と、度重なる大噴火で誕生した溶岩大地が生み出す絶壁の渓谷美も圧巻だ。