クーポン券のお得な管理術「キャンペーンマネジメント」 実践するとしないではかなりの差に…

【鈴木貴博『得する経済学』】お得なクーポン券も期限が切れたらタダの紙。消費者はそれをどう「管理」するべきなのか。実体験を明かしつつ解説する。

2023/07/02 05:00


会計・レジ

「じゃあ金曜日は万世でランチ。土曜日はくら寿司で夕食、日曜日はシャトレーゼでケーキを買って、月曜日がどん亭でランチというスケジュールでよろしく」

6月末、鈴木家はいつになく慌ただしい日々を送っています。それがこのとき家族で確認したスケジュールの一例です。

理由は? それは6月末で終わるキャンペーンや割引券が多いから。お得なクーポンのご利用は計画的にというのが鈴木家のモットーです。とはいえ「いったいどういう状況!?」だと困惑している読者の方も多いかもしれません。今回は経済学視点を説明しつつ、順番に状況を解説していきましょう。

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■めちゃくちゃお得なクーポン、忘れず使っています?

わたしの本業は経営戦略コンサルタントです。最近のB2C、つまり一般消費者を対象にした企業戦略に欠かせないのがキャンペーン。ごく一部の値引きをしない企業を除けば、小売チェーンも飲食チェーンも集客のための値引きクーポンを発行していることが普通です。

そのクーポンも「5%オフ」ぐらいのものであれば、頭の片隅においておいてたまたまそのお店に行ったときに使えばいいのですが、なかには非常に魅力的なオファーも存在するわけです。それを使い忘れたらちょっと残念な気持ちになりますよね。

具体例で説明しましょう。6月下旬段階でわたしの手元にあった「今月限り有効」のクーポンや割引券の顔触れです。


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■この4枚を使い切るかどうかで3,000円の差が!

万世というハンバーグを主体にしたファミレス、これは東京都民にはおなじみのチェーンですが、食事の後にキャンペーンはがきを提示すればもれなく人気のおみやげの「万かつサンド」(800円相当)が無料でもらえます。

くら寿司では株主に株主優待券を配っています。1,000円支払うごとに500円値引きになる優待券ですが、これもたまたま6月末が上期分の期限。使わないと悔いが残ります。

シャトレーゼは山梨のお菓子のチェーン店ですが、6月末までに3回来店して1,000円以上のレシートを3枚集めると真夏においしいソーダ味のアイスキャンディーを1袋6本分もらえます。

そしてしゃぶしゃぶ食べ放題が人気のどん亭では来店する毎に「次回来店するときに使える10%オフ券」をくれるのですが、この有効期限がやはり四半期末です。夏場は意識しないと鍋料理は食べません。一回期限を過ぎてしまうと次回は定価で食事になります。


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■マストなクーポンはエクセル管理

実はこれ以外にも6月期限のお得なクーポンがたくさんあったのですが、6月中旬までに計画的に消化を続けていて、いよいよ最後の10日間で残ったのがこれらのクーポンだったというのが鈴木家のお事情です。

さて、このようなクーポンがたくさんある中でお得を逃がさないために「キャンペーンマネジメント」を行うことが重要です。

とはいってもやり方は簡単です。いろいろな形で手に入るクーポンや割引券、無料お試し券などのうち「これは使ったほうがいいな」と思うものをエクセルシートに入力して管理します。入力するのは最小限の情報で、「お店の名前」「割引やプレゼントなどの内容」「利用期限」そして「備考欄」です。


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■最重要ポイントは「グーグルカレンダーでの計画」

そのうえで、毎月10日頃にその月で期限が切れるキャンペーンを眺めながら、それをどのタイミングで使うのか計画を立てるのです。ここで重要なのは仮スケジュールで構わないのでクーポンを使うタイミングをグーグルカレンダーにいれること。

あとは粛々とクーポンを利用していくだけ。これだけで家計の出費が大きく違ってきますよ。

ちなみにわたしの7月のカレンダーには、

「7月は練馬区で買い物をすること。ペイペイ利用で20%ポイントバック」

と書かれています。週末は光が丘に出かけようかな。


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■著者プロフィール

鈴木貴博

Sirabeeでは、戦略コンサルタントの鈴木貴博(すずきたかひろ)さんの連載コラム【得する経済学】を公開しています。街角で見かけるお得な商品が「なぜお得なのか?」を毎回経済理論で解説する連載です。

今週は「キャンペーンマネジメント」の話をお届けしました。

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(文/鈴木貴博

鈴木貴博著『日本経済復活の書 2040年、世界一になる未来を予言する』【Amazon】

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