世界で拡大する中国とロシアのスパイ 日本でも間近に迫る脅威
普段日常生活を送っているとスパイに出くわすことはない? しかし、スパイ自身はスパイということを外見に示さない。その脅威は近くにある。
スイス政府は6月にスパイ活動に関する報告書を公開。その中で、スイスではロシアや中国によるスパイ活動が激しくなっていると言及した。
■スイス当局が最近スパイについて言及
スイスには多くの国際組織の本部があるが、現在ロシアからスイスへ派遣されている外交官の3分の1あまりがスパイ活動に行っており、中国からは会社員や学者がスパイ要員としてスイスに送り込まれているとした。
スイス政府は今後対策を強化する方針を打ち出したが、中国などは“外見が一般人、中身はスパイ”のような人間が多く送り込まれているとのことで、人権重視の欧米諸国で果たしてどこまで有効な反スパイ活動ができるかは未知数だ。
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■日本でも横行するスパイ活動
そして、これは日本も他人事ではない。実際、日本国内でも長年中国やロシアによるスパイ活動が比較的自由に行われている。
たとえば防衛や安全保障に関する会合が東京では毎日のように行われているが、そういった場所にロシア大使館に勤務する駐在武官が参加し、会合後のパーティーでは参加者へ積極的にコミュニケーションを取り、名刺を渡しては今後一緒に飲もうなどと誘うなどは珍しくない。
実際、六本木の飲み屋で待ち合わせし、高価なお土産をもらったという人から話を聞いたことがあるが、酒が入ったところで色々と質問してきたという。そして、招待した人物が使えるか使えない人物かを識別し、使えない人物と分かればそれ以上接近していることはない。
中国側の日本国内での活動はここまで露骨でないだろうが、日本国内でも実際起こっていることなのだ。
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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)