ミルク感濃厚な有機ヨーグルト『ピュアナチュール』 マニアが「香りを活かしたレシピ」を紹介
化学メーカー大手のカネカが牧場づくりから5年がかりで開発した有機ヨーグルト。その特徴を活かしたレシピをヨーグルト研究家・向井智香さんが紹介。
2018年から、大手化学メーカーのカネカが北海道の地元酪農家と手を組んで立ち上げた別海ウェルネスファーム。日本ではまだ例の少ない有機酪農に挑戦している。
2022年12月に有機JAS認証を取得し、今年2月には有機ヨーグルト『ピュアナチュール』の発売がスタートした。
■牛が自由に歩き回る牧場
別海ウェルネスファームの牧草やデントコーンは、全て有機農法で自家栽培されている。そのため、放牧地や牛舎を含めて東京ドーム23個分もの農地が必要。
乳牛が自由に動き回れるフリーストール牛舎で、放牧地との間も24時間自由に出入りできる。牛たちは、自らのタイミングで自動搾乳機に並ぶ。
牛たちの糞尿は発酵させ、餌の牧草やコーンを育てる堆肥となる。さらに化学メーカー・カネカの技術力を活かした太陽光発電を導入。一年間に必要な電力量はほぼ自然エネルギーで賄っているという。
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■ベルギー乳業大手と提携
カネカは、ヨーロッパの酪農王国として知られるベルギーの大手乳業メーカー・ピュアナチュール社と技術提携して、初めての乳製品開発に挑んだ。
別海ウェルネスファームの経営にあたっている久多里俊輔さんは、もともとはカネカの研究者としてホイップクリームの開発などを担当。
「以前は、いかに牛乳を使わずに牛乳以上の製品をつくるか、に打ち込んでいました」と笑うが、ベルギーに数年間赴任してピュアナチュールの契約農家からヒントを得て、このスタイルを導入。今や作業着姿で牧場内を駆け回っている。
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■爽やかな香りとミルク感が特徴
有機酪農のミルクから生まれたヨーグルトは、少し黄色みがかった乳白色。牧草だけで育てたグラスフェッドミルクほどではないが、そうした成分が乳に出ている様子。また、香りもグラスフェッド寄りの爽やかさがある。
シングルモルトウイスキーのように単一牧場の牛乳だけで作られているので、立ち上げたばかりの牧場スタッフの思いがこもっているような気がする。
味わいは、クリームのような濃厚さというよりは、しっかりとしたミルクの味と旨味が感じられる。ヨーグルトの場合は8.0%と以上と定められている無脂乳固形分(タンパク質など)が12.0%であることも、ミルク感が強い理由かもしれない。
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■ヨーグルトマニアによるレシピ
今回の取材では、そのまま試食だけでなく、有機ヨーグルトの魅力を活かしたアレンジレシピも報道陣に紹介された。一般社団法人ヨグネット代表理事で、ヨーグルトマニアの向井智香さんが、教えてくれたレシピは3つ。
デザートだけでなくご飯として活用できるメニューも。いずれも「特徴的なミルクらしい香りを活かすように考えた」と向井さん。