米中関係は実際どこまで悪いのか これを見ればすぐに答えは誰でも分かる
今や世界情勢の最大イシューとなっている米中対立。喧嘩したり対話したりと、その真の関係は曖昧だが…。
ブリンケン国務長官は23日、米メディアの取材に応じた際、最近世界中から米中双方が責任を持って関係を管理するよう求める声が聞こえ、対話を続けて意見の相違を共有し、協力できる分野では協力していくことが重要との認識を示した。
■米中関係でのブリンケン国務長官の言葉
また、ブリンケン国務長官は台湾有事で米中が軍事衝突するのを防ぐため、関係の安定化に取り組み、高官同士の対話を重ね、バイデン大統領と習近平国家主席の首脳会談の実現に向け、環境を整備していく意志を示した。
首脳会談は9月のインドでの20ヶ国・地域(G20)首脳会議などが想定されている。
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■今の米中関係の悪さの程度は明白
23日のブリンケン国務長官に発言のみで、今の米中関係がどれほど悪いかはすぐに分かる。上述の言及の中では、何回も対話、対話ということが強調されている。すなわち、今の米中関係は如何に対話を維持できるかというところまで関係が冷え込んでおり、それができなくなれば米中関係は管理できなくなるのだ。
最近も、米国は国防、軍事分野で中国軍との対話再開が見込めないと懸念を示しており、対話の停止によって事態のエスカレート化を抑えられなくなるのだ。だから、対話対話と強調されるのだ。
通常であれば、国家の国家が対話をするのは当然のことで、日本も米国も多くの国との間で対話が強調されることはない。対話、対話が強調されるほど関係が良くないと捉えるべきだろう。ウクライナ戦争では、米国やウクライナとロシアの関係が管理できなくなって軍事侵攻へと発展した。
米中関係が管理できなくなれば、その可能性は飛躍的に増すことだろう。
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(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)