分断がいっそう進む世界 日本企業はグローバル経済の中でどう生き残るのか
米中対立やウクライナ戦争…。世界では紛争が激しくなってきており、日本企業はビジネス展開先を今一度考えるべきだ。
米中対立やウクライナ戦争など大国間対立が激化し、世界は混迷を極めている。正直言うと、もう世界の分断は短期的には戻らないだろう。
■世界の分断はもう戻らない
中国で習政権が崩壊して非独裁的な政権が誕生するか、ロシアでプーチン政権後に民主政権が誕生するか、そういったことが起こらない限り世界の分断はなくならない。
中国リスクがこれほどまでに世間に拡がっても、これから中国進出を強化しようとする日本企業もあるが、全体として中国進出のムードは以前より低下している。おそらく、大丈夫か? と心配する人が増えているだろう。
ウクライナ侵攻では、ロシアに進出していた日本の大手自動車メーカーはほぼ全てがロシアから撤退し、ロシアビジネスというものは日本企業にとって極めて難しい選択肢になっている。しばらくロシアビジネスは考えない方がいい。
日本企業はこういった状況をどう考えるべきだろうか。
関連記事:米中対立や台湾有事により日中関係悪化 求められる企業の選択
■カギを握るのはASEANとインド
今後日本企業にとって重要となるのはASEANとインドだろう。
ASEANといってもラオスのように中国と経済関係が強い国は除き、インドネシアやマレーシア、タイやベトナムの重要性はいっそう増すばかりだ。
日中関係で不穏な空気が漂うなか、脱中国依存を進める意味でもASEANが極めて重要だ。ASEANは高い経済成長を維持し、今後も人口増加が見込まれるため、日本企業は中長期的視点でASEANを重視していく必要がある。
また、インドだ。インドは世界人口で中国を抜き、今後経済力で日本を追い抜いて世界第3位の経済大国になる。インドも若い世代が多く、今後大きな労働市場となる。日本とインドは良好な関係を維持しているので、日本企業にとってインド市場の価値は今後飛躍的に高まるだろう。
・合わせて読みたい→米中対立や台湾有事により日中関係悪化 求められる企業の選択
(取材・文/Sirabee 編集部・セレソン 田中)