バウアーの“勝利至上主義”がベイスターズを救う 苦しんだ1週間に一筋の光明【横浜DeNAベイスターズ週間MVP】
交流戦優勝の勢いはすっかり影を潜め、再浮上のキッカケを掴むこともままならぬ状況のベイスターズだが…。この1週間も上位のカープとタイガース相手に1勝4敗1引き分けと、苦しい戦いを強いられた。
なかなかポジティブな点を探すこともままならない状況だったが、この1週間どころか年間ペースでもお目にかかれない熱投を披露したピッチャーがトレバー・バウアーだった。
■「やることは変わらない」
敵地・マツダスタジアムで行われた広島戦。
1勝1敗のタイで迎えた3戦目に先発したバウアーは「とにかく勝たなければいけないのですが、上位のチームだからということを考える必要はありません。これから勝たなければならない試合しかないですし、どのチームが相手になっても自分がやるべきことであるストライクを先行すること、ボールを投げ切る部分など、やることは変わらないです」と平常心を心がけると決意表明。
結果立ち上がりこそ2安打を集められたが無失点で切り抜けると、9回まで被安打1、与四球2と3回の出塁機会をすべて併殺打で打ち取る計算ずくの投球術を披露。
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■気迫全面に123球投げ切る
味方打線もホームを踏むことが出来ない展開の中、すでに110球を投じていたにも関わらず、大学時代以来の延長のマウンドに上ったバウアー。
さすがに疲れもあったのか、2アウト1−2塁のサヨナラのピンチを迎えてしまい、田中広輔に対しても3ボールナッシングと相手優位の状況にしてしまった。
だがそこから154、153キロと“アメージング”な剛球を投げ込み、レフトフライに抑え込んだ。
最終的には残念ながら12回規定によりスコアレスドローとなり勝利を挙げることはできなかったが、気迫を前面に出しながら真夏の広島で123球を投げ切ったことは凄いの一語に尽きる。
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■“一番重要なこと”は…
現在首位のタイガースまで8ゲーム差と厳しい状況となっているが、「自分の経験から何が一番重要かというと、基本的なところをやれるかどうかです。ボールをキャッチする、ボールを投げる、フォアボールを出さない、ストライクを投げる、基本的なベースランニングをする。こういうことをやっていけるのが、最終的に勝っていけるいいチーム」とコメント。
「自分たちがやるべきことやできることをやって大事にしていくことが、これまで以上に重要になります」と前を向くバウアーの姿勢こそが、いまのベイスターズには必要だろう。
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■執筆者プロフィール
萩原孝弘:1971年生まれ。生まれも育ちも横浜の生粋のハマっ子で、大洋が横浜に移転して以来、一貫してホエールズ〜ベイスターズファン。23年のオフィシャルイヤーブックもライターとして参加した。あくまでもファン目線で、独自のインタビューコラムや記事を各媒体で執筆中。
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(取材・文/Sirabee 編集部・萩原孝弘)