熱中症対策の塩分補給、2割が「致命的な勘違い」していた この誤解は命に関わる…

熱中症対策に重要となる「塩分」だが、なんと2割もの人々が摂取方法を誤解していると判明。「ポカリスエット」でお馴染み、大塚製薬に詳しい話を聞くと…。

2023/08/25 05:15


熱中症対策における、重要な役割を担っている塩分。しかし今回、全国の10〜60代の男女1,000名を対象とし、塩分の「正しい摂取方法」について調査アンケートを実施したところ、決して少なくない人々が「誤解している」事実が浮上したのだ…。

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■約8割が塩分のみの補給は「意味がない」

塩

まず注目したいのが、「塩分のみを補給することも『熱中症対策になる』と思うか」という設問に対する回答結果。こちらに「思う」と回答したのは全体の23.3%で、約8割もの人々が「熱中症対策になるとは思わない」と考えていることが明らかになった。

塩分グラフ

発汗によって失われた塩分を補給するため、塩分の摂取は一見すると「理にかなった熱中症対策」に思われるかもしれない。しかし、質問文の「塩分のみ」という部分が重要なポイントである。

そこで今回は、熱中症対策を目的とした「塩分の正しい補給法」について、『ポカリスエット』でお馴染みの「大塚製薬株式会社」に詳しい話を聞いてみることに。


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■塩分と「水分」で初めて対策に

大塚製薬公式サイトでは、効率的な水分補給について「一般的に、人の1日の水分出納は約2.5Lです。夏場は汗をかく分、意識して水分の摂取を心がける必要があります」「水分補給として一度に大量の水を摂取すると、かえって体内の電解質(イオン)バランスを崩して体調不良を引き起こしてしまいます。飲む量はかいた汗の量を目安にし、汗で失われる塩分(ナトリウム)もきちんと補給しましょう」と説明している。

つまり「水分」と「塩分」のどちらか一方を補給するだけでは不十分。「どちらも」補給することで、初めて熱中症対策になり得るのだ。

ポカリスエット

我われ人間の体液は真水だけでなく、主に食塩から摂取される「ナトリウム」など様々な電解質が含まれており、これらを水分と共にバランス良く補給し、体を潤してくれるのが、我らがポカリスエット。

多くの汗をかいた際に、電解質(特にナトリウム)を含まない水分を摂取した場合、低ナトリウム血症を引き起こす恐れや、血漿浸透圧の低下によって自発的脱水や水利尿が起こり、必要な水分量を補うことができない可能性がある。そのため、水だけではなく「電解質を含む飲料」の摂取が推奨されているのだ。

今回の取材に際し、大塚製薬の担当者は「ポカリスエットは、発汗により失われた水分・塩分を速やかに補給でき、水よりも自発的脱水が起こりにくいため、発汗量に見合った水分が補給できることが、科学的根拠をもって証明されています」とも補足していたのだった。


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■塩分への過信が誤解を生んだ?

塩分グラフ

今回の調査結果を見ると若年層、特に男性の回答者に塩分を「過信」した回答が多く、10〜20代は男女共に3割近くが「塩分だけ補給しても熱中症対策になる」と考えていたことが判明。

塩分グラフ

こうした誤解が広まった背景について、大塚製薬は「発汗によって水分・塩分を喪失することで熱中症発症のリスクが高まることが周知され、暑い時期になると、熱中症対策として『水分と塩分補給』の注意喚起が徹底されることで、塩分摂取の重要性が定着した結果ではないでしょうか」と分析している。

水分だけでなく「塩分の重要性」が世間に浸透していくにつれ、「塩分こそが重要」と勘違いしてしまった人も、決して少なくないだろう。近年注目されている「塩飴」なども単品では効果的と言い難く、やはり一定量の水と共に摂取することが好ましい。

塩

重度な症状の場合、命にも関わるのが熱中症。「塩分補給」を過信していた人は、水分と塩分を併せて初めて熱中症対策になることを肝に銘じておこう。

さらに「糖質」を加えるとより効果的な対策が見込めるため、こちらの原理についても探っていきたい。


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■執筆者プロフィール

秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。

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(取材・文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ 取材協力/大塚製薬/a>)

【調査概要】
方法:インターネットリサーチ
調査期間:2023年7月21日~2023年7月24日
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)

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