ポカリの甘み、日本人の4割が「知らない理由」があった 熱中症対策に完璧すぎる…
熱中症対策をする上で注目が集まるのは、水分と塩分ばかり。じつに4割もの人が糖分(糖質)の重要性を知らなかったのだ…。
「発汗によって失われたもの」という知識の後押しもあってか、水分・塩分補給に勤しむ人を多く目にする昨今。
しかし熱中症対策においてこの2つに加え、糖質(糖分)も非常に重要な役割を担っている事実を、多くの人が「知らなかった」と判明したのだ…。
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■4割が「糖質は必要ない」
全国の10〜60代の男女1,000名を対象として「熱中症対策に『糖質』は必要と思うか」というアンケート調査を実施したところ、「必要と思う」と回答したのは全体の60.5%と判明。つまり、約4割の人が「必要ではない」と考えているのだ。
確かに「熱中症対策において補給するもの」と聞くと、真っ先に浮かぶのは「水分」で、次点が「塩分」である。むしろ「この2つさえ補給しておけば安心」と考えている人が大半なのではないだろうか。
そこで今回は、熱中症対策における「糖質の重要性」について、『ポカリスエット』でお馴染みの「大塚製薬株式会社」に詳しい話を聞いてみることに。その結果、驚きの事実が明らかになったのだ…。
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■ポカリの「甘さ」には理由があった
大塚製薬は公式サイト内で「熱中症予防の水分補給として、日本スポーツ協会では、0.1~0.2%の食塩(ナトリウム40~80mg/100ml )と糖質を含んだ飲料を推奨しています。特に1時間以上運動をする時は4~8%の糖質を含んだものを摂取しましょう」と呼びかけている。
糖質を含んだ飲料を推奨する理由については「腸管での水分吸収を促進することが挙げられます。主要な糖であるブドウ糖は、腸管内でナトリウムが同時にあると速やかに吸収されます。そしてそれらに引っ張られ水分も吸収されるというのがそのメカニズムです」と説明しており、水分・塩分・糖質が三位一体となることで、効果的な熱中症対策が見込めるのだ。
スポーツドリンクの代名詞的存在といえるポカリスエットが独自な甘味をしているのも、前出の背景が大きく影響している模様。
大塚製薬の担当者は「水分とともに塩分(ナトリウム)を摂ることで、発汗で失われたナトリウムの回復による熱中症発症リスクの軽減が期待されますが、熱中症を予防するためには、脱水状態からの速やかな回復や体水分のバランスを維持することも重要です」「糖質とナトリウムを同時に摂ることで腸での水分吸収が促進され、飲んだ水分を体内に保持する効果が期待できます。熱中症対策に着目した場合、水分補給を目的とした飲料にとって、ナトリウムだけではなく適量の糖質を含むことが重要だと考えます」と、甘さの理由について説明している。
ポカリスエットは糖質と電解質(主にナトリウム)をバランスよく含んでいるため、体内に速やかに吸収されるという特徴を持つ。さらに、同量の水を飲んだ場合と比較すると、体内に水分を保持する効果はポカリスエットの方が高く、長く維持できる点も強みなのだ。
また研究の結果、ポカリスエットに含まれる糖質は「体水分の回復と維持に有用」であることが明らかにされているという。
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■特定世代から「糖質」は不人気?
なお、今回の「糖質」に関する意識調査の回答を年代別に見ると、10〜20代は「必要である」という回答が7割近いのに対し、60代では10ポイント以上も低下しているのが印象的である。
こうした傾向について、大塚製薬は「糖質の摂り過ぎに対する、ネガティブなイメージが要因として挙げられるかもしれません」「また、ご年配の方は若い世代に比べて活動量が少ないため、糖質を摂る必要性を感じていない、またはそもそも意識されていないことも関係しているかもしれません」と分析していた。
加えて「塩分(ナトリウム)補給の重要性が広く理解されることは良いことだと思います。一方で、熱中症対策における水分補給をより効果的なものにするためには、塩分と一緒に糖質を摂ることも大事です」と、その重要性を改めて強調していたのだ。
近年は「糖質制限ダイエット」や「糖尿病」などのフレーズの影響もあってか、「目の敵」にされるケースも少なくない糖質。しかし言うまでもなく、人類の重要なエネルギー源であり、熱中症対策にもその真価を発揮する重要な栄養素なのだ。
大塚製薬は「糖尿病の心配がある方は、スポーツドリンクの飲用だけを気にするのではなく、食生活や運動などの生活習慣全般にわたって、医師や専門家にご相談されることをオススメします」ともアドバイスを寄せているため、糖質が入っているから…といった理由でスポーツドリンク類を敬遠していた人は、ぜひ参考にしてほしい。
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■執筆者プロフィール
秋山はじめ:1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。
新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。
X(旧・ツイッター)を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉(浦和)や、蒲田などのローカルネタにも精通。
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(取材・文/しらべぇ編集部・秋山 はじめ 取材協力/大塚製薬/a>)
対象:全国10代~60代男女1,000名 (有効回答数)