土井善晴氏のがんばらない「お味噌汁」 1人前から簡単に作れて心に沁みる味がたまらない…
土井善晴氏が提唱する「お味噌汁」の作り方。斬新なルールなのに美味しくて目からウロコが。
和食の定番ともいえるお味噌汁。しかし、美味しいお味噌汁を作るためには、出しを使いアクを取りながら食材を煮込んで火を止めてから味噌を入れる…と手間がかかってしまうと感じている人も多いのでは。また、1人分を作るのが難しいからインスタントで済ませているという人もいるだろう。
一汁一菜を提唱する料理研究家の土井善晴氏が紹介する「人生が楽になるお味噌汁」のレシピを、お味噌汁好きな記者が実際に作ってみた。
画像をもっと見る
■具材はあるもので、まな板は使わなくてもよし
お味噌汁の具材は特に決まっていない。冷蔵庫にあるものを使おう。今回は余っていたキャベツと玉ねぎ、しいたけ、そして油揚げと卵にしてみた。
それぞれ適当な大きさにカットする。「お味噌汁の具材は手当たり次第でいい。」と土井氏は言う。まな板が汚れるのをためらうなら、そのまま食材を適当に切ってお椀に入れていくといいだろう。
お椀1杯分の水を鍋に入れて、切った食材を入れて煮込む。一汁だが満足感のあるお味噌汁にするなら、肉や魚を入れてもOK。その際も、「まな板は使わず丸ごと入れてもいいし、ハサミで切ったりちぎったりしてもいい」と土井氏。
煮立ってきたら味噌を入れる。土井氏によると「これも自由自在。そのときの気分で入れればいい。ちょっと濃いめにすればおかずにもなる」とのこと。今回は、具材が煮立ったところで一般的な1杯のお味噌汁にちょうどいい大さじ1程度の味噌を溶いた。
土井氏によると「卵を入れると美味しくなるし食べた気になる」らしいのでここで卵を投入。生卵の状態でも食べられるが、もう少し火を入れていく。「アクを取るとか取らないとか、どちらでもいい。そんなのは大したことない」と土井氏は言う。卵に火が通ったら盛り付けよう。
関連記事:味噌汁に“アレ”を入れるだけで料亭の味に? 革命的な作り方に驚き
■具沢山で満足感のある1杯
出しを使っていないのに、味噌多めで具材をしっかり煮込んでいるので、素材の旨みが出て満足度の高い1杯になっている。冷蔵庫にある食材で1杯分だけ美味しく作れるなんて驚き。
土井氏によると、「本来の味噌汁の作り方は、味噌の風味を損なわないよう火を止めて入れるが、これは具材を煮込んでいくことでそれぞれの旨みが引き出された1品になる」とのこと。確かに具沢山でごはんとお味噌汁だけでも満足できそう。
これなら朝の忙しい時間や1杯だけお味噌汁を飲みたいと思ったときでもすぐに作れる。がんばらなくてもこんなに美味しいお味噌汁が簡単にできると思ったら、より心に沁みる深い味わいになった。
・合わせて読みたい→味噌汁の味噌を“一瞬で溶かす方法”が目からウロコ 「知らなかった」「今度やってみよ!」
(取材・文/Sirabee 編集部・池田かおるこ)